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和名の無い木:ブレッシュネイデラ・シネンシス [植物観察]

5月14日、読売日本テレビ文化センター講座”花と緑をもっと知ろう”が小石川植物園で雨の中開催されました。講師で緑・花文化士の綿引寿三郎さんが観察の目玉、和名の無い木:ブレッシュネイデラ・シネンシスについて説明されました。大変珍しい植物です。外観は一見オニグルミ、ヌルデに似ておりました。ムクロジ目:Bretschneideraceae だそうです。

1978年発行の週間朝日百科”世界の植物”には記載されていませんが、その後発行の同世界の植物には取り上げられているそうです。以下この植物の解説を綿引寿三郎作成講座テキストより引用させていただきました。

ブレッシュネイデラ・シネンシス(Bretschneidera sinensis

 小石川植物園では5月の初旬にハンカチノキがニュースになり、たくさんの入場者が来ますが、そのハンカチノキよりさらに珍しい植物がこのブレッシュネイデラです。名札にはまだ日本名はついておらず、日本の文献にもほとんど載っていない植物です。

手もとの資料で唯一掲載されているのが「週刊朝日百科 植物の世界」でした。それによるとこの植物はブレッシュネイデラ科ただ1つの種で、1科1属1種という大変珍しい植物だということがわかりました。中国西南部からベトナム北部にかけての山岳地帯にしか生育していないとされていましたが、1981年に台湾でも自生が確認されたそうです。1科1属1種ということは、他のどの植物にも類縁関係が見られないということで、謎の植物だとゆうことが言えます。小石川植物園には同じく1981年に上海植物園から種子をゆずりうけ、それを育成したところ、最近開花するようになったということです。花は白い大きめの花を総状につけます。確かに独特の形状をした花で、似たものはあまりありません。観賞価値はかなり高いと思われますが、まだ普及する段階ではないようです。小石川植物園で開花株まで成長することが確認されているわけですから、これから広く日本で栽培される可能性もあります。当園ではまだ種子はつけていないようですが、大型の鮮やかなオレンジ色の種子のようです。しかしこの種子をどんな生物が運ぶのかなど詳しいことはまだわかっていないということです。

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和名の無い木:ブレッシュネイデラ・シネンシス:綿引寿三郎さん

撮影(小石川植物園にて)

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和名の無い木:ブレッシュネイデラ・シネンシス、小石川植物園にて(2008・5・14)

関連リンク:綿引寿三郎さんのホームページ(植物図鑑)

http://www.linkclub.or.jp/~jusa/

このインターネット植物図鑑には、なんと5589種が掲載され、日本でも屈指の大図鑑となっており、ますます進化します。是非ご利用下さい。

 


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