舎人公園野草見本園の野草(夏~秋に咲く珍しい野草) [舎人公園の野草]
新しい冊子“足立区の野草”(A4版30頁、野草302種解説付き写真紹介)が
できました。御入用希望の方は御一報下さい。実費で御送付致します。この他、
既に発行済の“舎人公園観察ガイド、”舎人公園での探鳥“、”草花栽培カレン
ダー“も併せてご利用下さい。
舎人公園野草見本園で夏~秋に咲く比較的珍しい野草を紹介させていただき
ます。ニホンハッカを除き、今が見ごろです。1)ニホンハッカ(薄荷):シソ科多年草。セイヨウハッカであるペパーミントと区
別され、ともに、かじると薄荷(メントール)の味がします(写真1)。子供のころか
じった記憶があります。
2)コミカンソウ(小蜜柑草):トウダイグサ科一年草。果実が小さなみかんに似る。
一枚の葉の葉腋の上部に雄花が、下部に雌花が一列につく。葉一列に着果する植
物は珍しい。マメ科のクサネムやネムノキのように葉は夜閉じるから不思議です。
ただ今結実中(写真2)。3)オミナエシ(女郎花):オミナエシ科多年草。秋の七草で有名。舎人公園に群落
があります。ただいま満開(写真3)。
女郎花 すこしはなれて 男郎花 星野立子(高浜虚子の次女)
4)オトコエシ(男郎花):オミナエシ科多年草。オミナエシよりつくりが大きく丈夫
そうに見えるから命名される。オミナエシの白花といったところです。ただ今開花
中(写真4)。
5)ワレモコウ(吾亦紅):バラ科多年草。十五夜のお月見には、ススキとともによく
似合う野草です。漢方薬に利用されます。開花結実中(写真5)。吾亦紅 さし出て花の つもりかな 小林一茶
6)ウマノスズクサ(馬の鈴草):ウマノスズクサ科つる性多年草。ラッパ状の花は
雌性先熟雄性後熟(雌シベが先に熟し、その後雄シベが熟す:本ブログ・”冬咲く花、
ヤツデの開花の不思議”に記載)の受粉方法により、悪臭を放ち、巧みにコバエをお
びき出し交配してもらう。種子は出来にくい。開花中。ジャコウアゲハの食草として
有名。漢方薬にも(写真6)。7)ヤハズソウ(矢筈草):マメ科一年草。葉を引っ張ると常に葉が矢筈(V字形)にち
ぎれて面白い。このようにちぎれる訳は、多くの斜め向きの側脈が平行して直線的
に葉の縁まで達しているためです。因みに葉に光を当てると矢筈状の模様が浮かん
で見えます。根瘤菌を着生するので、痩せ地でもよく育つ。開花中(写真7)。その他、コシナガワハギ、コブナグサ、ジュズダマ、ヨウシュヤマゴボウ、スベリヒユ、
オオボウシバナ、マルバツユクサ、カワラナデシコ、キランソウ、メハジキ、ケアリタソ
ウ、アカザ、ホソアオゲイトウ、ミソハギなどが見られます。
今時珍しいニホンハッカ:かじると薄荷(メントール)の味が強い。
コミカンソウ:微細なみかんの実?が一列に並んで着果(本種特有)。
オミナエシ:お馴染み秋の七草、舎人公園で群生開花が見られます。
オトコエシ:オミナエシのシロバナ、舎人公園野草見本園で今見ごろ。
ワレモコウ:舎人公園野草見本園で、今が見ごろ。秋に似合う花です。
ウマノスズクサ:ジャコウアゲハの食草。左上の写真は花の拡大写真。
ヤハズソウ:左上の写真のように葉を引っ張ると矢筈(V)状に切れる。
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