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花の咲き分けと葉の斑入りのメカニズム [科学]

花の咲き分けと葉の斑入りのメカニズム

我が家の桃色の花が咲くサルスベリに、白色の花が咲きました。十年近く桃色の花が咲き続けていますが、今年初めて白花が混じっているのを見つけました(写真1)。突然変異ではないかと思いその原因調べてみました。

  

同じ枝や木・茎に赤や白などの花が一緒に咲くのはよく見かけます。 アサガオ、オシロイバナ、サツキ、ウメ、サクラなどたくさん見られます。サルスベリもそうでした。 このような現象を花の咲き分けと言われています。

  

咲き分けはどうしてできるのでしょうか? 難しい課題ですが参考になれば幸いです(各種遺伝用語の説明は下記をご参考下さい)。

これに関与しているのは、トランスポゾンTransposonの可能性が高いとされています。アサガオではトランスポゾンの関与が確認されています。聞きなれない言葉ですが、トランスポゾンとは、動く遺伝子(転移遺伝子)とも言われ、遺伝子に動く(移動する)遺伝子で、転移する特徴的な構造を持つDNA断片(塩基配列)とされています。染色体(遺伝子の集まり)の中で移動して正常な遺伝子に飛び込み、正常な遺伝子の働きを壊すのです。トランスポゾンはほとんどの生物に存在するのですが、普段は動かないのです。

生物の形や色などは、遺伝子の塩基配列によって決まります。正常な葉や花の形を決める遺伝子にトランスポゾンが関与すると(遺伝子変異)異常が発生するのです。突然変異の多くはトランスポゾンによって誘発されると考えられています。接木では、遺伝子の異なる細胞が接することになるのでトランスポゾンの発現のスイッチになるとも言われています。

  

これと似た現象で、植物斑入りがあります。実に多くの植物でみられます。斑入りとして、メンデルの法則の劣性遺伝などによる斑入り、細胞質遺伝による斑入り、キメラ(接木などで生じる異なった遺伝子を持つ細胞が混在)による斑入り、ウイルスによる斑入りなどが挙げられています。しかし、斑入り研究者では、その理由は十分に解明されていないのが現状のようで、トランスポゾン、突然変異(遺伝子の働きの違い)が関与していることや植物が病気にかかり、その症状が斑入りとして発現することが解明されつつあります。

      

用語解説 ゲノム、染色体、DNA(デオキシリボ核酸)、遺伝子

遺伝子とは遺伝情報の最小単位(概念)二本の螺旋状に絡まった形をした“ひも”(DNA)の上に、髪の毛を黒くするといった情報が暗号のように塩基Aアデニン)Tチミン)Gグアニン)Cシトシン)の文字(下記説明)で書かれていて、そうした遺伝情報部分を遺伝子と言っています。簡単に表現するとDNAの塩基配列による「情報」のことになります。

遺伝子は細胞核内の染色体にDNAとして蓄えられています。遺伝子とDNAは同じではありません。DNAは二重の螺旋構造で、そこに生命の設計情報が鎖状に繋がっています。

  

染色体とは細胞核が分裂するとき見えてくる糸状のものでDNAなどを主成分とします(物質)。ご存知のように、細胞の核の中には染色体があります。染色体の中はDNA(二重螺旋構造)の鎖が整然と折り重なった状態で存在しています。つまり、染色体を作っている物質がDNAなのです。一本の染色体のDNAを真っ直ぐに伸ばすと、ヒトの場合(染色体は23組46本)、一番長い第一染色体で7.5㎝、一番短い第22染色体は1.4㎝ほどの長さで、一つの細胞の中だけでも全てつなぐと2mにもなります。ヒトの細胞を60兆個とすれば、ヒト一人分のDNAを全てつなぐと、その長さは約1200kmにもなります。

  

DNAとは遺伝情報が書き込まれた二重螺旋構造物質(物質)デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid)といわれる物質で、遺伝情報が書き込まれており、生物の中ではデオキシリボース(五炭糖)とリン酸と4種類の塩基(アデニン(A)グアニン(G)シトシン(C)チミン(T)から構成されている核酸です。

  

ゲノムとは遺伝子(geneと染色体(Chromosome)からできた言葉で、遺伝子の総体、つまり、生物が持つその生物に必要な全ての遺伝情報のことをいいます(概念)。一言でいえば、生物に必要な染色体のセットということになります。ヒトを作るには眼を作る遺伝子、足を作る遺伝子、脳を作る遺伝子など膨大な数の遺伝子が必要になります。そうしたヒトを作るための遺伝情報すべてを合わせたものをヒトゲノムといいます(ヒトゲノムには、23種類の染色体があります)。「ゲノム」という名前の物質が体の中にあるわけではなく概念です。ゲノムは染色体、DNA(デオキシリボ核酸)、遺伝子の中で最も大きい単位です。

     

 無題20.jpg

 アデニン(A    チミン(T)  グアニン(G) シトシン(C        

           DNAの塩基

サルスベリ2.jpg 

写真1 サルスベリの咲き分け:白花が一輪 

サキワケ.jpg 

サツキとオシロイバナの咲き分け 

サキワケ2.jpg 

アオキと フィカス・プミラの斑入り  

                                    


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