市街地のどこでも見られるアブラナ科のタネツケバナ、実は殆どが外来種のミチタネツケバナで、在来種のタネツケバナはあまり見られません。

私の子供の頃は、苗代に稲の籾(種)を播く前に、藁で編んだ菰に籾を詰め、水田の水路にその菰を浸して発芽させました。タネツケバナの名の由来は、開花時期がちょうどこの頃になるので種漬花となったとされています。

タネツケバナは水田など湿気の多い場所を好んで生えます。タネツケバナもミチタネツケバナも果実(長角果)が稔ると、手で触るなどの刺激でパチパチと音を発しながらはじけて種子を放出します。ちょうど今頃、まだはじけていないタネツケバナ・ミチタネツケバナを見つけたら、指で触って見て下さい。面白いです。

足立区では、ほとんどがミチタネツケバナですが、たまにタネツケバナに出会います。ここでは、両者の見分け方を紹介させていただきました。しかし、固体の変異があり、あるいは両者の交配?で中間的な固体があるかも知れません。

果実を比較すると、タネツケバナ(左)はミチタネツケバナ(右)より角度が大きく、拡がった形をしています。

葉の形は次の写真を見て下さい。

生育初期にでた株元の葉(根生葉)は、結実期になると、タネツケバナではほとんど枯れて無くなっていますが、ミチタネツケバナには残っています(上の写真)。

写真では見えませんが、タネツケバナの茎には細かい毛が散生していますが、ミチタネツケバナは無毛です(但し根元で見られることがありました)。ルーペで見て下さい。

タネツケバナの葉は角張った感じがしますが、ミチタネツケバナの葉は丸まった形をしています。しかし、これも個体差があり、分かり難いことがあります(タネツケバナの上部葉は上位葉の間違いです)。