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ニホンサクラソウの簡易栽培法 [花の栽培]

二ホンサクラソウの簡易な栽培法

ニホンサクラソウ(桜草・サクラソウ、学名 Primula
sieboldii
サクラソウ科サクラソウ属多年草で準絶滅危惧種に指定されています。自生地では湿性の林間、原野の草間に生え、ときに群生します。以下ニホンサクラソウのことをサクラソウと記します。

国の特別天然記念物指定、埼玉県田島が原サクラソウ群落自生地で生育しているサクラソウは 1)色々な植物と共存している、
2)年間通じて適当な土壌湿度が保たれている 、3)夏にはアシ、オギが一面に繁茂してサクラソウを覆う、4)通風が良いなどの条件を備えています。これらに近い条件を再現すれば継続栽培可能ではないかと考えました。それに近い栽培環境とは、通年土壌を乾かさない(適湿)、夏は直射日光をさける、風通しの良い場所を選ぶ、サクラソウと野草の混植で土壌を露出させないなどでしょう。ここでは、サクラソウを鉢で継続的に栽培する方法を紹介させて頂きます。

第一年目 : 盆栽用の深めの鉢、泥鉢(例えば直径30cm、深さ6cmの丸い鉢)に赤玉土5、鹿沼土3、腐葉土2などの割合で混合した培養土を詰め、購入した開花期前のサクラソウの鉢を植え付けます(できれば異品種の苗数鉢)。この時、サクラソウを傷めないようにチゴユリ、コバノタツナミ、ユキノシタ、ミズヒキ、スミレ類、チドメグサ、タイトゴメなどサクラソウと共存できそう(サクラソウの開花期草丈低い)な小物で自分の好きな野草数種類選び植え付けます。サクラソウの花が見られない時でも山野草の盆栽として楽しめます。これらの混植は地際に伸びたサクラソウの根茎が露出して乾燥するのを防ぎます。もしサクラソウの根茎が地上に露出したら覆土して下さい(増し土)。潅水は十分に行います。夏になったら暑さに弱いので、木陰や半日蔭で通風の良い場所に移しましょう。涼しくなったら日の当たる場所に戻します。冬の休眠期を含めて年中水切れに注意してください。寒さには強いです。翌23月芽が出る前に小粒の発酵油粕を軽く一握り程度施しましょう。

第二年目以降 : 新しい根茎が伸びて新芽が出てくれば個体数が増えます。普通、株を充実させるため花柄摘みを行いますが、種子を残すとこぼれ種子となり、うまくいけば翌年発芽します。また、種子で増やす方法があります(下記)。東京では4月中旬頃開花します。開花後の管理は上述の第一年目に準じて行ってください。56年経過して、鉢一面にサクラソウが増殖したら、根鉢を軽くほぐして、一回り大きな泥鉢に移しましょう。この時、株分けをして(下記)植えかえることも可能です。培養土は第一年目と同じで良いと思います。これらの植え替え作業は121月が適当と考えられます。株分けや種子で増やせますが、これらの方法は多少手間がかかりますが、挑戦して見て下さい。増やし方を参考までにご紹介します。

 

増やし方 :
以下の方法があります。


株分け(芽分け) : 植え替え時(2月中旬)に1株に芽1個~数個付けた状態にします。1株に芽が2個以上あれば、芽が出ている根茎を切断して1個の芽にし、いずれも根が着いた状態で株分け可能で、この場合多数の株が得られます。芽の無い株の太い根や地下茎をそのまま、或は切断して同じ鉢か別の鉢に植え付けて(根伏せ)芽のでるのを待ちます。株分け(芽分け)したものは第一年目に従って1鉢数株植え付けます。

種子で増やす 6月ころ熟した種子を採取し、湿った紙、布に包みチャック付保存袋等に入れ、冷蔵庫で乾燥させないようにして保存し、翌年3月頃播きます。発芽には低温は必要です。乾燥した種子は発芽しにくいです。この場合は翌年の開花となります。採り播の場合は、採取した種子を直ぐにまくのですが、種子が好日性の微小種子なので、覆土ができません。バーミキュライト、鹿沼土(細粒)などポーラスな用土の表面を種子と混ぜる程度にして播けばいいと思います。発芽は翌年になります。この場合、乾かさないで管理するのは苦労がいります。それを避けるため、種子を保湿状態で1~2か月冷蔵庫に保存して播く方法があります。こぼれ種子が春先発芽することもあります。よく用いられる方法として採取した種子を市販のジベレリンで処理をしてから播くやり方です。サクラソウは寒さに遭遇しないと発芽しません。そこで、種無しブドウに使用されるホルモン剤ジベレリンの約300ppm溶液に浸したキッチンペーパーなどで一日処理し休眠を解きます。処理後播くと気温にもよりますが、1週間位でよく発芽します。

あ:サクラソウ.jpg

サクラソウの植え付け

い:サクラソウ10.jpg

複数株植え、カバープラントとしてチゴユリ、コバノタツナミ、タイトゴメ、スミレ、ミズヒキなど

を混植しました。

う:サクラソウハチ.jpg

二年目の開花状態です。個体数が増えてきました。

え:サクラソウ0164r.jpg

三年目の開花状況、スミレ、コバノタツネミが見えます。

か:サクラソウR.jpg

三年目の様子、色々なカバープラントで鉢も地面が見えません。カバープラントが蔓延り、サクラソウの繁殖に支障が生じれば適当に抜き取ります。まだ植え替えは必要なでしょう。

き:サクラソウ.jpg

三年目の種子の着生状況。

く:サクラソウ.jpg

同上の拡大写真、間もなく種子は熟します。採種する場合は完熟したら種子が飛散して

しまうので注意が必要です。一つの果実に無数の種子が閉じ込まれています。大きさ

は300ミクロン位です。

 


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