早春の舎人公園野草見本園
舎人公園野草見本園には100種以上の野草が生育していますが、冬の間は多くの種で枯れたような状態です。しかし、今の時期になりますと、春に咲く野草に大きな変化が現れます。今回は、カントウタンポポ、オオイヌノフグリ、スイバ、キュウリグサ、オトコエシ、トウダイグサの様子を紹介させていただきます。
カントウタンポポ(キク科、多年草): 2月下旬より咲きはじめ、例年よりやや早い開花のようです。花の形は普通ですが、花柄が短いのが寒い時期に咲く特徴なのでしょう。野草園には、そのほか、セイヨウタンポポ、カントウタンポポとセイヨウタンポポの中間種(雑種)、シロバナタンポポ、アカミタンポポ、モモイロタンポポが見られます。
オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科、2年草): この種も温暖化の影響か、2月ごろから開花が確認され、現在では果実が出来上がっています。
オオイヌノフグリの果実(フグリ・陰嚢): 前回ご紹介の“図鑑にない野草”(2月25日)のコゴメイヌノフグリの果実と比べて見て下さい。オオイヌノフグリの果実(フグリ:陰嚢)はかなり扁平な形をしています。どこにでも生えているルリ色(瑠璃)の花を咲かせるオオイヌノフグリを見つけたら、フグリを探してみて下さい。フグリの大きさは幅6~7mmと小さいです。
キュウリグサ(ムラサキ科、2年草): 春早く咲くのですが、なにせ花が小さく(写真)目立たない野草です。しかし、魅力的な野草です。それは、葉を揉んで臭いをかくと、なんとキュウリの香りそっくりです。そういう意味で人気のある野草です。どなたが付けたか知りませんが、ぴったりの名前です。