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冬目立つヤドリギ(宿木) [植物観察]

冬目立つヤドリギ(宿木)

ヤドリギ科ヤドリギ属

冬になると目立つ木、それはヤドリギではないでしょうか。今頃ケヤキなどの葉っぱの無い時、カラスの巣かな?と思って見過ごし易いのがヤドリギ。カラスノ巣かヤドリギかは肉眼では分かりにくいので、双眼鏡で見ると簡単に分かります。ヤドリギは落葉樹のケヤキ、エノキ、ブナ、サクラ、ミズナラ、コナラ、クリ、ヤマナシなど色々な植物に寄生する寄生植物です。寄生植物とは、他の植物に寄生根(種子から発芽し特殊な根)で相手植物(奇主、宿主)に食い込みの樹木から水分と養分を吸収横取りする憎き植物です。種子は鳥によって散布され、粘液を含んでいるので枝などにひっついて発芽して寄生するのです。寄生植物には、葉緑素を持ち光合成をして炭水化物を自分で合成する半寄生植物(水分と無機栄養を略奪)と葉緑素が無く光合成をしないですべての栄養を寄主から奪い取る完全寄生植物に区別されます。ヤドリギや後で述べるヒノキバヤドリギは半寄生植物で緑っぽい色をしています。以前このブログ(2008年5月5日)でも紹介させていただきましたが、ヤセウツボは完全寄生植物で全身茶色っぽい色をしています(葉緑素欠のため)。また、ススキなどに寄生するナンバンギセルもヤセウツボと同じ仲間です。ヤドリギやヒノキバヤドリギおよびヤセウツボなどの寄生植物に寄生された植物は、栄養分を奪い取られるため、徐々に衰弱していき、哀れにも時には枯死してしまいます。 

ここで、ヒノキバヤドリギについてお話させていただきます。ツバキ科、モチノキ科、モクセイ科などの常緑樹に寄生しやすい変わり者です。今から6~7年前、舎人公園の片隅に成木のヤブツバキが10本ほど植えられて毎年きれいな花が咲いていました。よく見ると、ヒノキの葉のような形をした植物がヤブツバキの枝から生えていたのでした。あとでヒノキバヤドリギと分かりました。ヤドリギはよく見かけるのですが、ヒノキバヤドリギは大変珍しいので舎人公園の目玉になったのですが、残念なことに、日暮里ー舎人ライナーの車庫作りの犠牲になり無くなってしまったのです。なんとか、移植して保存していただければ良かったのですがボランティアの身分では力不足でした。いまでもヤブツバキは本公園に沢山生育しているのですが、ヒノキバヤドリギの寄生した固体は一個も見つかりません。

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ケヤキに寄生したヤドリギ:果実着生、山中湖で撮影

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ケヤキに寄生したヤドリギ:ほとんどのケヤキに見られる。山中湖で撮影

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ヤマナシに寄生したヤドリギ:小石川植物園で撮影

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ヤブツバキに寄生したヒノキバヤドリギ:舎人公園にて(現在は見られない)

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ヤブツバキに寄生したヒノキバヤドリギ:舎人公園にて(現在は見られない)


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