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植物の空気中窒素の固定 [植物観察]

 植物の空気中窒素の固定

下の写真は隣の家から戴いた大豆〈枝豆〉の根粒です。畑から抜いたばかりのもので、根っこに数ミリメートルの粒(こぶ)状のものが見事に沢山くっついていました。これは昔からよく知られている根粒と呼ばれるもので、この中に根粒菌(バクテリアの一種:桿菌)という土壌微生物が住んでいます。この根粒菌は大気中の窒素をいとも簡単にアンモニアに変換し(窒素固定といいます)、植物の生育に欠かせない窒素を大豆に供給する働きをしているのです。根粒菌は逆に大豆から栄養を貰って生活しており、共に仲良く共生している〈共生菌〉のです。だから、マメ科植物は、窒素肥料をあまりやらなくても良く育つのです。大豆などで、窒素肥料を多くやると大切な根粒が着生しにくくなることが古くから知られています。この根粒菌は大豆以外のエンドウ、ソラマメ、インゲン、クローバー類、クズ、アカシア類、ハギ、エニシダ、ラッカセイ、ネムノキ、ヤハズソウなど極めて多くのマメ科植物に着生します。ご参考までに、マメ科以外で根粒植物が百種以上知られているそうです。一例としてヤマモモ属、ハンノキ属、グミ属、ソテツ属、コウヤマキ属、ドクウツギ属が身近にあります。これらのうち、ハンノキの根粒は拳大にもなるようです。

また、最近の発見として、サツマイモが痩せ地で育つ理由として、ツルに共生菌が共生していることが報告されています。イネやムギに遺伝子組み換え技術が導入され、根粒菌が形成され、空気中に存在する無尽蔵の窒素を有効利用できるようになれば、地球温暖化のみならずその経済効果は計り知れないものがあるでしょう。農水省〈独立行政法人〉の研究が期待されます。

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大豆(枝豆)の根粒:直径数mm位。因みに、ムラサキツメクサの根粒はもっと小さいものでした。     


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