リュウゼツランの開花 [植物観察]
今回は、舎人公園野草園から外の風景を紹介させていただきました。リュウゼツランの開花です。100年に一回開花し、その後枯死すると言われています。このあたりの情報を深堀してみました。
リュウゼツラン「竜舌蘭」
別名Agave、アガヴェ、アガベ、Century plant」
リュウゼツラン科(キジカクシ科)リュウゼツラン属多年草
Century plantと言われているように、100年に一回咲くと言われていますが、日本では30―50年に一度開花するようです。開花、結実後に時間が経過すると枯死します。一回結実性です。珍しい例として、1年目に発芽し、2年目で生長し、3年目で開花して枯死するムラサキケマンなどがあります。基本的には多年生植物は開花しても枯死しないのは生長点が残るからです。リュウゼツランは頂芽が花に変わって無くなっているので生長点が残らないので枯死します。
開花結実したリュウゼツランには株本から脇芽(子株)が生え次世帯に受け継がれますので全体が枯れることにはなりません。また、種子、花茎の球芽からでも繁殖します。
中央区立築地川銀座公園にあるリュウゼツランは「アガベ・ベネズエラ」と言い、リュウゼツラン科のアガベ属でリュウゼツランの仲間で、令和4年3月15日現在、アガベ・ベネズエラは花柱が4メートル近くあり、花壇に植えている6本中の2本が“開花”したそうです。
文参考:東京都中央区役所 写真の提供:都内在住のs.sさん
リュウゼツランの基部から花柱を伸ばして開花した様子、花柱の高さは7m位。
花柱の中ほど、沢山の大きな花が咲いています。
花柱下部の拡大写真です。
先端ブブの様子。ピンボケ。
ニオイバンマツリが挿し木翌年に開花 [植物観察]
ドレセナ・レフレクサが開花し結実しました [植物観察]
舎人公園野草園の皇帝ダリア [植物観察]
野草(雑草)の生命力 [植物観察]
月下美人を切り花で開花促進 [植物観察]
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川口グリ-ンセンタ-の野草 [植物観察]
羽根木公園の梅とソメイヨシノの大木 [植物観察]
舎人公園野草園の冬の風物詩 [植物観察]
舎人公園の皇帝ダリア [植物観察]
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樹木の樹皮で樹種を見分ける(1) [植物観察]
スズランとドイツスズランの簡単な見分け方 [植物観察]
舎人公園野草園で観察された主な野草 [植物観察]
野草のクレイア-ト(その8) [植物観察]
舎人公園野草園での野草観察会開催 [植物観察]
問合わせ:舎人公園サービスセンタ-03-3857-2308
舎人公園野草園の比較的珍しい野草 [植物観察]
本ブログの総アクセスは99万を超え間もなく100万となります。ブログの内容は舎人公園に関するものが多く投稿されています。舎人公園野草園の管理は東京都公園協会の助成にもとで運営されています。毎年全シーズンで約400種の野草が生育していますが、これらの野草の中から、普段みることの少ない野草をピックアップして紹介させて頂きました。野草に興味のある方は是非見に来てください。私がいればご案内させて頂きます。
カタクリの花:葉が二枚でないと開花しない。
ヒメリュウキンカ:早春美しいはなを咲かせます。
クサイチゴ:食べるとおいしいイチゴです。
ノジシャ:江戸時代栽培されたものが野生化。食用になる。
クモマグサ:園芸種のようです。
ヒトリシズカ:我が家の坪庭に生えています。
イカリソウ:花が錨のような形をしている。
キケマン:ツクシキケマンの変種、赤っぽい太い茎が特徴。
ムラサキケマン:キケマン属の越年草。
オドリコソウ:ヒメオドリコソウより花、葉ともに大きいです。花の形が傘をかぶった踊り子に似ている?
ヤマブキソウ:花がヤマブキの花に似ている。
コンロンソウ:タネツケバナ属の多年草。
ウラシマソウ:毎年生えてきます。最初はタケノコ状の新芽。地下の球茎で個体が増えます。
ウラシマソウ:上の写真の個体が成長し、肉穂花序の先端の付属体が糸状に長く伸び、浦島太郎の釣糸に見立てたとか。
ヤブレガサ:発芽当時は全面絹毛でおおわれています。外敵から守るため?
ヤブレガサ:上の写真より少し生育が進んできました。
ヤブレガサ:和名の由来はこの頃の若い葉の様子が破れ傘に似ているから。
舎人公園野草園の真冬に咲くスノードロップとロウバイ [植物観察]
真冬に咲く花は少ないのですが、舎人公園野草園に咲いている美しい花、表題の二点を紹介させていただきます。スノードロップはヒガンバナ科で、学名のGalanthus(ガランツス)のガラ(乳)とアンサス(花)の合成語で乳白色の花という意味で、英名はスノー(雪)ドロップ(しずく)、和名は待雪草です。積雪のある時の花はあたかも雪のしずくの様に映ります。
ロウバイはロウバイ科の落葉低木で、漢字では蝋梅と書くのでバラ科の間違えることも?花びらに艶があり、まるで蝋細工のような花です。花や蕾の蝋梅油を薬として使用するようです。よく見られる素心蝋梅(ソシンロウバイ)は花の内側が茶色に着色しなくて花被片全体が黄色っぽくなります。舎人公園野草園の蝋梅は来園者の方の寄贈で3年目にやっと花が咲きました。舎人公園で唯一のもので貴重です。
スノードロップ:下向きに咲きます。現在20個体咲いています。
昨年のスノードロップ。
2008年に本ブログに投稿した写真です。まるで雪のしずくの様に咲いています。
蝋梅の蕾:まだ木が小さく将来が楽しみです。
蝋梅の花:この花も下向きに咲きます。冬目立つ花です。間もなく舎人公園のサンシュユが咲きます。
舎人野草園のシモバシラの霜柱(氷柱)と霜柱生成メカニズム [植物観察]
舎人公園野草園のシモバシラの霜柱に関する本ブログへの投稿は2007年より7回になります。今年の霜柱は見事であったので投稿に至りました。以下に写真で紹介させて頂きました。写真1,3はホームページ「舎人公園野草園」から引用させて頂きました。
過去の投稿で野草のシモバシラが霜柱を形成するメカニズムを簡単に述べています。それによると以下の様になります。「野草のシモバシラ(シソ科)は、冬地上部が枯死するが、根は生きており、根で吸い上げた水分が枯死した茎を毛細管現象で上昇し、冷却されて氷結します。このことを繰り返して氷結が発達し、綿菓子状の氷結(霜柱)が完成します」。この程度の記述ですがそれで充分ではないでしょうか。と言うのは、最近の霜柱が形成される詳細な原著論文をいくつか調べたのですが、諸説あって定説はなく、これからの研究に託されているようですが、私なりに判断すると上記.とあまり変わりませんが次の様になります。
地中の水が枯死した.茎の導管などや維管束を毛管現象で上昇し、枯死した茎の表面からその水が染み出し氷結を繰り返して棉状の霜柱が形成.される。では地中の水とはどんな水でしょう。地中は気温が地表より高く越冬している根は活動していて、主にこの根からの水が枯死した茎の.維管束などの毛細管現象で地上に上昇する。
最近の原著論文紹介
シモバシラによる霜柱形成におけるいくつかの新知見:犀川政稔、環境科学、東京学芸大学紀要自然科学系、(2006)
シモバシラ (Keiskea japonica)に成長する氷花の形成メカニズム~気象環境および茎内部構造の影響、北海道大学大学院 環境科学院、田丸 隼也(2012)
シソ科植物「シモバシラ」による氷晶析出機構への物理的アプローチ、日本雪氷学会誌、75、(2013)
写真1 南側野草園(クスノキの下)のシモバシラに生成した霜柱、結構巨大です。
写真2 写真1に写っているものと同じ個体で、霜柱が生成していない時の地上部が枯死したシモバシラ:元気な大きな株でした。
写真3 野草園東のケヤキの下のシモバシラに生成した霜柱。
写真4 写真3と同一個体で霜柱が生成していない時の様子。
写真5 シモバシラの霜柱の掲示。
写真6 野草シモバシラの開花風景。
写真7 2009年の霜柱:横の広がりが見事でまるで綿菓子の様です。
写真8 2010年の様子
サクラタデ・シロバナサクラタデの異形花柱性 [植物観察]
サクラタデ・シロバナサクラタデの異形花柱性
舎人公園野草園にはサクラタデ、シロバナサクラタデが現在開花中です。
その他、ヤナギタデ(ホンタデ)やアイが開花しています。今回はこれらの比較的珍しく価値の高いタデ科の植物を取り上げました。
はじめに、サクラタデ・シロバナサクラタデの異形花柱性について、その後ヤナギタデとアイを紹介させて頂きます。
著名な図鑑類で、サクラタデ・シロバナサクラタデは雌雄異株と記載されています。すなわち、雄蕊が長く雌蕊が短い花を雄花、その逆を雌花と区分していたのです。しかし、1996年シロバナサクラタデに関する平塚・中尾の研究「植物研究雑誌」(71,98-104:1996)で花は雌雄異株ではなく異形花柱性であることを報告しております。その後西廣らにより、本種の異形花柱性に関する詳細な研究が行われました(1998、2000)。これはどういうことかと言いますと、これらの花には短花柱花と長花柱花の2形があり、短花柱花は雌蕊の長さが雄蕊よりかなり短く、雄蕊は花被(花びらに見える萼片)から突き出ています。長花柱花はこの逆で雌蕊は花被から突き出ます。このように、一つの花に雄蕊と雌蕊があり、種もできることが解明されたのです。同一株には1つの形の花のみを着けます。異形花柱性は被子植物で24科知られています。
以下写真でこれらの現象を紹介させて頂きます。さらに、ヤナギタデ、アイの開花も続けてご覧下さい。
サクラタデの開花:8本ある雄蕊が花びら(萼片)から突き出ており、短花柱花です。見ずらいですが、短い雌蕊が3個の別れた花柱があります。
図は雌蕊の模式図です。上の雌蕊は短花柱花(左)と長花柱花で、ともに3個の柱頭に分岐しています(サクラタデ)。下は短花柱花(左)と長花柱花でともに2個の柱頭に分岐しています(シロバナサクラタデ)。サクラタデは雄蕊の数は通常8本、雌蕊は3分岐時に2分岐するようです。シロバナサクラタデの雄蕊は6本(牧野植物図鑑では8本と記載)雌蕊は2分岐、時に3分岐)。
サクラタデ:花蜂らしき媒介昆虫がいました。
サクラタデ:ヒラタアブが盛んに蜜を吸っていました。上左の一つの花で8本の雄蕊が花被から突き出ています。この花は短花柱花です。
シロバナサクラタデの花:これも短花柱花です。短い雌蕊の2分岐が見とれます。
シロバナサクラタデの開花:これも短花柱花です。長い雄蕊は6本でした。
ヤナギタデ:一部開花していました。花はサクラタデ・シロバナサクラタデに比べて非常に小さいです。
ヤナギタデの花。ヤナギタデは香辛料に利用。かむと辛いです。
ヤナギタデの花の拡大写真。
アイの開花:アイは染料に利用される。
アイの花の拡大写真。
舎人公園野草園のカラスウリの虫こぶ [植物観察]
虫こぶとはタマバチ、タマバエ、アブラムシなどの昆虫やダニ類、線虫、菌類、細菌、マイコプラズマなどによって引き起こされ、虫こぶは569種の植物に1400種類確認されています。その発生メカニズムは解明されていませんが、例えば、昆虫が植物に産卵・寄生するとその刺激によって組織が異常に増殖し、こぶが出来ます。虫こぶの名前の付け方は、分かり易いように次の様に命名されます「植物名+つくられる場所+こぶの形状+ふし」。今回投稿したカラスウリの虫こぶは、カラスウリクキフクレフシでそのような順になっています。エゴノネコアシやイスノキイチジクフシなどはフシや作られる場所が省略されています。以上の内容は本ブログ2009年5月2日投稿の「虫こぶのお話し」を参考にしたもので、虫こぶの詳しい内容はそちらの方をご参照ください。舎人公園にはキカラスウリが生えていますが虫こぶは見られませんでした。
カラスウリクキフクレフシ:カラスウリの茎が膨らんだ虫こぶで、ウリウロコタマバエが茎に産卵し、その中で幼虫が孵化します。幼虫はそのまま越冬するようです。
カラスウリクキフクレフシの例
カラスウリクキフクレフシの例
小石川植物園のカラスウリクキフクレフシ(撮影:吉元さん):ヘビウリに似ています。
フシの中にすでにウリウロコタマバエの幼虫がいました。一つのフシ(膨らみ)に一匹います。ピントが甘いですが(スマホで写し拡大したので)黄色っぽいのが幼虫で長さは4-5mm位でした。
虫こぶの中のウリウロコタマバエの幼虫:一番左の幼虫は真下の向きです。
虫こぶの中のウリウロコタマバエの幼虫:上の写真と同じ幼虫で、やや左に曲がっています。観察していると肉眼で動くのが分かりました。
向島百花園での観察会に参加して [植物観察]
先月向島百花園主催の観察会があり参加しました。講師は専門の方でした。携帯用のイヤホンで遠方でもよく聞こえました。盛会で一時間位園内を回りました。コンニャクは今年は開花していません。ヘビウリが実るでしょう。現在開花中の植物を中心に紹介させて頂きました。
ヤブマオウ:イラクサ科多年草。カラムシの仲間で共に茎から繊維が取れる。カラムシの新しい葉の裏は真っ白で、押し花に使われる。
ヤブカンゾウ:ユリ科多年草。これは八重咲でノカンゾウは一重咲き。
モリアザミ:キク科多年草。花は9-10月。アザミの仲間で根は食べられる。間もなく開花です。
ムクゲ:アオイ科落葉低木。八重咲の品種でよく目立ちます。雄蕊が花弁化し種は出来ないとか?
ヒメヒオウギズイセン:アヤメ科多年草。園芸ではクロコスミアと呼ばれる。ヒオウギズイセン属の雑種。
ヒゴタイ:キク科多年草。花は8-9月。葉はアザミに似て棘を有する。
ヒオウギ:アヤメ科多年草。花は長く扇状に広がる。8月開花。
ノリウツギ:アジサイ科落葉低木。アジサイの仲間ですが開花は遅く夏に咲く。
ニホンハッカ:シソ科多年草。メントールの材料で北海道北見にはハッカ記念館がある。舎人公園野草園にもあります。
ナツズイセン:ヒガンバナ科多年草。花は桃色で葉はスイセンに似ていて花が夏に咲く。キツネのカミソリに似ているが花の色が異なる(キツネノカミソリは橙色)。
トロロアオイ:アオイ科多年草。花がオクラに似ているので花オクラとも呼ばれる。この根の粘りは色々なつなぎとして利用される。
トモエソウ:オトギリソウ科多年草。前回向島百花園の植物紹介で掲載したので説明は省略させて頂きます。
トウゴウギク:キク科オオハンゴンソウ属多年草。北米原産。東郷元帥がイギリスから持ち帰ったことに由来する。ルドベキア・フルギタで流通。
タマアジサイ:アジサイ科多年草。蕾が丸いのでこの名が付けられた。花は7-8月で咲けば普通のアジサイの形。
コブナグサ:イネ科一年草。黄八丈の染料。葉はチジミザサのようなちぢれは無く茎を抱く。舎人公園野草園では今年は生えませんでした。
コバギボウシ:キジカクシ科多年草。ギボウシやオオバギボウシに似ている。7-8月開花。園芸品種多数。
ギンミズヒキ:タデ科多年草。ミズヒキの一品種とされているが、自生種説もある。ふの入るものが多い。舎人公園野草園にも生育しています。
オイランソウ:ハナシノブ科一年草または多年草。花魁の白い粉の香りが似ているとか。花は白もあり派手。別名フロックス、クサキョウチクトウ。
向島百花園の6月の野草 [植物観察]
向島百花園では色々な野草が豊富です。バショウにバナナのような実がなっていました。観客の方の多くはバナナと言っていました。今回印象に残った野草、舎人公園野草園では見られない野草を中心に紹介させて頂きました。
水辺の風景
ハマギク:キク科多年草。野菊の一種で海岸に自生。日本固有種で9-10月マーガレットやノースポール似た花を咲かせる。
シモツケソウ:バラ科多年草。下野の国(栃木県)に多く生えていた。5-7月開花で白花もある。似た花に栃木県で発見された落葉低木のシモツケがあります。
アワモリショウマ(泡盛升麻):ユキノシタ科多年草。日本固有種で5-7月茎の先に穂状の白い花が咲く。小花が泡のように咲くから。
ナガボノワレモコウ:バラ科多年草。花は8-9月で白(ナガボノシロワレモコウ)又は紅紫色で、花序はやや長く直立か垂れる。カライトソウは花序は長く、垂れる。ワレモコウは花序が短く直立する。
ムラサキセンダイハギ(先代萩):マメ科多年草。5-8月青紫の花を咲かせる。写真右上は花で、ちょうど咲いていました。
バイカイカリソウ(梅花錨草):メギ科多年草。4-5月開花し、白い花が梅に似ている。
ヤグルマソウ:ユキノシタ科多年草。花は6-7月円錐状の花序を着け、花弁は無く萼片の色ははじめ緑白色で、しだいに白色に変化する。葉の形が鯉のぼりの矢車に似ている。キク科のヤグルマギクと混同しやすい。
カザグルマ(風車):キンポウゲ科多年草。5-6月白~薄紫色の花を咲かせ、花の形が風車に似ている。写真左上は果実で、けまり状。テッセンは近縁種で同じセンニンソウ属。
クガイソウ:オオバコ科多年草(旧ゴマノハグサ科)。茎に輪生する葉が多層になっているので九蓋草、九階草)。
シライトソウ(白糸草):ユリ科多年草。学名は雪の筆を意味する。4-7月開花し、瓶などを洗う「ブラシ」に似ている。
国立科学博物館付属自然教育園の目に着いた野草 [植物観察]
この5月下旬自然教育園に野草見物に行ってきました。ここでは春夏秋冬色々珍しい野草が見られます。今回目に留まった野草の一部を紹介させて頂きました。
イヌショウマ:キンポウゲ科多年草。日本固有種、8~9月白い穂状花序を着ける。
イカリソウ:メギ科多年草。春咲く赤紫の花が錨に似ている。
アオイスミレ:スミレ科多年草。日本固有種で葉の形は葵(フタバアオイ)に似ている。3~4月白紫の花を着ける。
マツカゼソウ:ミカン科多年草。8~10月白い多数の花が咲く。
シロヨメナ:キク科多年草。シオン属でノコンギクの亜種。カントウヨメナなどはヨメナ属。8~11月白い花を咲かせる。
カンアオイ:ウマノスズクサ科多年草。ギフチョウの食草で冬でも枯れないので寒葵。日本固有種で秋開花。
ムサシアブミ:サトイモ科多年草。春、仏炎苞に包まれた肉穂花序を着ける。マムシグサやウラシマソウに似ている。
オオバギボウシ:クサスギカズラ科(旧ユリ科)の多年草。若葉はウルイと呼ばれ山菜として賞味される。毒草のコバイケソウと間違えやすい。ギボウシやコバギボウシの仲間。6~8月、白または紫色のロート型の花が咲く。
ハグロソウ:キツネノマゴ科多年草。日本固有種で半日蔭で生育する。9~10月淡紫色の花を咲かせる。姿はキツネノマゴに似ている。葉が黒ずんだ色なのでハグロソウとか。
モミジガサ:キク科多年草。葉が開く前は傘のように折りたたまれていて、葉が開くと葉はモミジに似ている。花は8~9月茎の先に円錐花序状の白紫色の頭花を着ける。未展開の葉は山菜になる。
ヤブレガサ:キク科多年草。根出葉が一枚では花茎が出ない。若い葉の様子が破れ傘に似ている。7~8月白く開花するが、今回は既に開花していた(写真左側)。
東京国立博物館の前のユリノキ [植物観察]
東京国立博物館の前のユリノキ
ユリノキ:モクレン科ユリノキ属、別名半纏木・チューリップツリー。北米原産の蜜源樹。
明治8-9年日本に渡来したユリノキの30粒の種子から苗に育てられ、明治14年頃新宿御苑や上野国立博物館前等に植えられたと言われています。小石川植物園のユリノキも同年代と推定されています。色々調べてみますと、新宿御苑に最初に植えられたようです。しかし、国立博物館もほぼ同年代言われています。新宿御苑のユリノキは樹高34m、樹幹週4.5m、樹齢134年とされています。東京国立博物館のユリノキは樹高24m、樹幹週5.9m、樹齢120年というデータがありますが正確かどうかは分かりません。こんど行ったとき幹回りを確認して見たいです。東京国立博物館は「ユリノキの博物館」「ユリノキ館」と呼ばれて親しまれています。
ユリノキ全景
ユリノキ下部と花(左上):花は舎人公園で撮影したもの。
木場公園の外来植物 [植物観察]
9月に都立木場公園外来植物園に見学にいきました。普段見慣れない外来種が沢山生育していました。一部ですが目に留まったものを紹介させて頂きました。
イボクサ:ツユクサ科イボクサ属の一年草。湿地に生える。
イワヨモギ:キク科ヨモギ属の多年草。大型の草本で茎は1m以上になり木質化する。
エノキアオイ:アオイ科マルバストルム属の多年草。葉がエノキに似ている。
オキナアサガオ:ヒルガオ科フサヒルガオ属の一年草。花序が翁を連想させる。
カンザシイヌホオズキ:ナス科サス属の1~多年草。光沢のある果実をカンザシに見立てた。果実は上向きに着く。
ゴマギク:キク科ブクリョウサイ属の一年草。草丈は1~2mで、花粉症の原因になる。
ショウジョウソウ:トウダイグサ科ユーフォルビア属の一年草。ポインセチアの仲間。
セイヨウフウチョウソウ:フウチョウソウ科フウチョウソウ属の一年草。別名クレオメ。
タカサゴユリ:ユリ科ユリ属の多年草。野生化し道端などに生育している。
タマザキクサフジ:マメ科コロニラ属の多年草。牧草や道路法面に使用される。
ツノゴマ:ツノゴマ科ツノゴマ属の一年草。角の着いた果実ができる。若い果実はピクルスとして食用になる。
マルバフジバカマ:キク科アゲラティナ属の多年草。シロバナフジバカマの名で流通している。
ヤノネボンテンカ:アオイ科ヤノネボンテンカ属の多年草。茶花などとして栽培される。別名タカサゴフヨウ。
向島百花園の植物 [植物観察]
向島百花園の6月の主な植物を紹介させていただきました。普段あまり目にすることの少ない植物が豊富です。ほんの一部ですが紹介させていただきました。
写真をクリックして拡大して見て下さい。
キョウガノコ : バラ科シモツケソウ属。初夏の頃、ピンク色のつぶつぶの
小さい花を密生させて咲く。花も葉もシモツケソウとそっくり。名前は京染
の鹿子絞りに似ているから。
キリンソウ : キリンソウ(麒麟草)は、ベンケイソウ科マンネングサ属の
多年草。6~8月茎頂に多数の5ミリくらいの鮮黄色の小花をつけ美しい。
クガイソウ : オオバコ科クガイソウ属の多年草。かつてはゴマノハグサ科。
花期は7-8月。茎の先端に穂状になる長い総状花序をつけ、
淡紫色の多くの花をつける。茎に輪生する葉が層になってつくので、
九蓋草、九階草の名がある。
コマツナギ : マメ科コマツナギ属の落葉小低木。名の由来は茎や
根が丈夫で引き抜くのが困難で、駒(馬)を茎につなげておくこともできる。
シロミノコムラサキ : クマツヅラ科(APG分類体系ではシソ科)
ムラサキシキブ属の落葉小低木。本種はコムラサキの変種の
白実種で、シロシキブはムラサキシキブの変種の白実種。
コムラサキのように花柄の付け根と葉柄の付け根が少し離れている。
ムラサキシキブ : クマツヅラ科ムラサキシキブ属落葉小低木。
APG分類体系ではシソ科ムラサキシキブ属。花柄の付け根と葉柄
の付け根がくっ付いている(写真)。
トモエソウ : トモエソウ(巴草)、オトギリソウ科オトギリソウ属の
多年草。名前の由来は卍 のような形をした花。
ナルコユリ : キジカクシ科アマドコロ属の多年草。かってはユリ科。
アマドコロと似ているが、茎はまるくて稜がない。
ニッコウキスゲ : ゼンテイカ(禅庭花)はススキノキ科ワスレグサ属
の多年草。かってはユリ科。一般にはニッコウキスゲの名前で呼ばれ
ることが多い。日光霜降高原などの群落が有名で、花が黄色で葉が
カサスゲ(笠萓)に似ているため、地名を付けてニッコウキスゲと呼
ばれる。
バショウ:バショウ科バショウ属の多年草。バナナとよく似ている。
バナナより耐寒性があり、関東地方以南では露地植えも可能である。
バショウの繊維を利用した工芸品が作られている。
バナナ状のものは雌花、その右は雄花。
ヒョウタンボク : スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木。6-7月の赤い
実が2個ずつ対になっているので、ヒョウタンのように見える。
マツムシソウ : マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草。北海道から
九州に分布する日本固有種で、山地の草原に生育する。マツムシが鳴くころ
に咲くことが和名の由来とか。
ムサシアブミ : サトイモ科テンナンショウ属。マムシグサや
ウラシマソウの仲間。雌雄異株。土壌の栄養状態が良いと雌花
となり、実をつけるが栄養状態が悪いと雄花となる。写真
中央下に未熟果実が見えます(写真を拡大して確認して
ください)。
ムラサキセンダイハギ : マメ科ムラサキセンダイハギ属。普通の萩
は秋に咲くが、本種は初夏5月頃に咲き、色も萩と違い紫色。ソラマメ
に似た実ができる。
メイゲツソウ : デ科イタドリ属多年草。虎杖(イタドリ)の花は白いが、
本種の場合は紅色を帯びる。 雌雄異株。和名の由来はお月見のころに
花をつける。
田島が原サクラソウ群落自生地の野草 [植物観察]
田島が原サクラソウ群落自生地の野草
国の特別天然記念物指定の埼玉県の田島が原サクラソウ群落自生地4haにサクラソウ100万本、ノウルシ無数が生育しています。さらに、これらの隙間にトダスゲ、ノカラマツ、ヒキノカサが生育し、これら5種は準絶滅危惧種等に指定されています。過去何回か足を運んだのですが、ノウルシがますます蔓延ってきた感じがしました。全面積の80%くらいを占めているようです。夏になるとアシ、オギが一面を覆い、サクラソウを保護しているのでしょう。ニホンサクラソウは江戸時代荒川原野に自生したものを種子などで繰り返し栽培するうち、赤、桃、紫、白などの色変わりや様々な形の花形が生まれたそうです。
ニホンサクラソウ(桜草・サクラソウ、学名:Primula sieboldii)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草:自生地では林間の湿性地や原野の草間に生え、ときに群生します。田島が原サクラソウ群落自生地では、花の色の濃淡は真紅~薄いピンクまであり、花弁の形は隙間の無いものから隙間の大きいもの、先端が大きい、尖っているものなど観察されています。花びらの中心の白い円がはっきりしたものから殆どないものがあり、花びらの枚数は5枚が基本ですが、4枚、6枚~10枚まで観察されているそうです。花びらの遺伝的な形質は5枚でしょうが、何らかの変化で奇形?ができるのでしょう。4つ葉、5つ葉のクローバに似ています。
以下に主だった野草を写真で紹介させていただきます。
サクラソウ:花びらの隙間があります。
サクラソウ:花びらの隙間がありません。
サクラソウ:花びらが6枚だそうです。
サクラソウ:花びらの中心の白い円がはっきりしません。
サクラソウ:シロバナサクラソウでこの地に発生したそうです(田島白)。
ノウルシ: トウダイグサ科トウダイグサ属で湿地を好む多年草。有毒植物。準絶滅危惧種。
アマドコロ: ナギイカダ科アマドコロ属の多年草。所々で群生していました。ガイドさんによると、ナルコユリの生育は無いそうです。両者は似ていますが主に茎の手触りで区別されます。角張る
: アマドコロ、丸く感じる : ナルコユリ。
ツボスミレ: スミレ科スミレ属の多年草。小型のスミレでニョイスミレ(如意菫)ともいう。
トダスゲ: カヤツリグサ科スゲ属。埼玉県戸田が原に生育していたことに因む。環境省絶滅危惧1A類。
ノカラマツ : キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草で草地に生える。絶滅危惧Ⅱ類。
ハナウド: セリ科ハナウド属の多年草。やや湿ったところを好む。
ヒキノカサ: キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。湿地を好む。絶滅危惧Ⅱ類。
ミツバツチグリ : バラ科キジムシロ属の多年草。日当たりの良い草原などに生える。