舎人公園野草園の6月の見どころ(その2) [舎人公園の野草]
舎人公園野草園の6月の見どころ(その1) [舎人公園の野草]
コンニャクの花が舎人公園で開花 [舎人公園の野草]
舎人公園野草園の春の比較的珍しい野草 [舎人公園の野草]
舎人公園のシモバシラの霜柱 [舎人公園の野草]
今年も暮れになり、野草シモバシラの霜柱ができました。2007年の師走に初めて観察されてから7年目の生成です。この間毎年観察され、本ブログにそれぞれ紹介させていただいております。多年草のシモバシラは年毎に株が増えてきました。
シソ科のシモバシラは、冬地上部は枯れ、枯れた茎の維管束が地中の水分を毛管現象により取り込み、その水分が茎の外に滲み出た時氷の結晶となるもので、寒さなどの条件により色々の形が出来ます。
初期に生成したもので、これから増えてにぎわうことでしょう。
もう一箇所のシモバシラの霜柱です。
土に生成する霜柱。植物の被害が生じます。
カスマグサが舎人公園に [舎人公園の野草]
なかなか見つけるのが困難なカスマグサが舎人公園の野草見本園で増殖してきました。種から育てて3年目のことです。カラスノエンドウとスズメノエンドウの間と言う意味でカス間グサ。下の写真に見分け方のポイントを示しました。気をつけてみると案外身近にあるかもしれません。
写真をクリックして拡大するとよく見えます。
カラスノエンドウ:全体大型の草姿。葉は矢筈形。豆果(果実)が黒く熟すのでカラスのエンドウ。花も大形。豆果の種子は7~10個。豆果は3~5cmで無毛。巻きひげは分岐する。
カスマグサ:巻きひげは分岐しない。花はスズメのエンドウよりやや大きく、葉腋から伸びた柄の先に2個程付ける。種子は約4個。豆果は1~1.5cmで無毛。
スズメのエンドウ:巻きひげは分岐する。花は2~3mmと3者間で一番小さい。種子は殆ど2個。豆果は0.5~1cmで有毛。
舎人公園野草見本園の夏の野草 [舎人公園の野草]
野草見本園には、年間を通して200種ほどの野草が見られ、多くの種に名札を付し野草に親しんでいただいております。普段見られないような野草、身近に見られる野草、舎人公園で絶滅寸前の野草などが生育しています。野草見本園運営のため、東京都公園協会から補助金をいただいております。
野草に関する冊子として、好評なのが“足立区の野草”です。A4版30頁で、内容は植物の分類と学名、花の構造・形、葉のつくり、植物用語集、足立区で観察された野草の写真と説明302種他です。観察された344種をリストアップしています。入手ご希望の方には、1冊800円の募金として頒布しております。この他、舎人公園観察ガイド、舎人公園での探鳥、植物雑学などの冊子もお分けしています。
現在生育している主な野草は次のとおりです。 ママコノシリヌグイ、オミナエシ、オトコエシ、フジバカマ、キキョウ、ワレモコウ、ミソハギ、コミカンソウ、ヒメミカンソウ、ヤハズソウ、ハンゲショウ、ニホンハッカ、ジュウニヒトエ、カワラナデシコ、ヨウシュヤマゴボウ、アメリカオニアザミ、ワルナスビ、スベリヒユ、シロバナツユクサ、マルバツユクサ、クワクサ、エノキグサ、シロバナムラサキツメクサ、ザクロソウ、クルマバザクロソウ、カワラケツメイ、エビスソウ、メマツヨイグサ、コマツヨイグサ、ウシノシッペイ、チカラシバ、シマスズメノヒエ、カゼクサ、イヌビエ、コブナグサ、ジュズダマ、セイバンモロコシ、チジミザサ、イ、ハマスゲ、メハジキ、コナスビ、ホタルブクロ、マルバルコウ、マメアサガオ、コヒルガオ、ムシクサ、アキノノゲシ、キツネノカミソリ、ニッコウキスゲ、ミゾソバ、シャクチリソバ、ゲンノショウコ、ウマノアシガタ、オオオナモミ、カラスビシャク、ムサシアブミ、オモダカ(クワイ)他多数生育しています。
これらの中から幾つかを以下に紹介させていただきました(写真)。写真をクリックし拡大して見てください。
上左:コミカンソウ、同右:ジュウニヒトエ、下左:パイナップルリリー、同右:ワルナスビ
上左:ウマノスズクサ、同右:キツネノカミソリ、下左:オモダカ(クワイ)、同右:コブナグサ
左:オミナエシ、右:ミソハギ
左:メハジキ、右:ワレモコウ
左:ママコノシリヌグイ、右:ニホンハッカ
舎人公園の野草シモバシラの霜柱 [舎人公園の野草]
舎人公園の野草シモバシラの霜柱
今朝の冷え込みで、枯れた野草のシモバシラに見事な自然の氷の芸術品が見られました。気象庁発表の東京の最低気温は約3℃でしたが、舎人公園では水溜りに薄氷が張り、土壌には霜柱が立っていました。今朝の冷え込みで十数本の皇帝ダリアは霜害で枯れてしまいました。これから、しばらくの間、朝の冷え込みが強い日には、早朝から11時ころまで舎人公園の雛壇花壇(舎人公園サービスセンター前)で観察できるでしょう。
シモバシラの霜柱については、本ブログで2007年12月2日、2009年1月2日の二回投稿済ですので、併せて見てください。
シモバシラの霜柱:枯死したシモバシラは地際から適当な所で切断した方ができ易いようです。長めに切断すれば縦長の霜柱が、短く切れば横に広がった霜柱になります。
拡大写真:細かい氷の組織が見えます。綿菓子様?
舎人公園に生育している食べられる野草と毒草 [舎人公園の野草]
舎人公園に生育している食べられる野草と毒草
アカザ・シロザ、アキノノゲシ、イタドリ、オランダガラシ、キクイモ、クズ、スイバ、スギナ、ツクシ、スベリヒユ、セイヨウワサビ、セリ、ゼンマイ、タンポポ、ツワブキ、ドクダミ、ナズナ、ノビル、ハコベ、ハハコグサ、フキ、ヤマノイモ、ユキノシタ、ヨモギ、ワラビなどは比較的馴染みの深い食用野草と思われます。下の食用野草は代表的なもので、これら以外にも舎人公園には多く生育していると推定されます。
アカザ・シロザ(アカザ科)は食用として輸入されたものが野生化したもので、同科のホーレンソウやオカヒジキと類似の味がします。アキノノゲシはレタスと同じ仲間(同属:キク科アキノノゲ属)。スベリヒユは茹でるとぬめりが出て、結構いけます。ヨモギとハハコグサは草餅で有名。ユキノシタやツクシはから揚げに?
スイバ・ギシギシ、カタバミのようにシュウ酸を多く含むものは味わう程度にし、食べ過ぎると害になるものもあります。コンフリーは以前食用にしましたが、最近では毒草に廻されています。
食べられる野草 | 毒草 | |
アカザ アキノノゲシ(リュウゼツサイ) | タンポポ ツユクサ | アセビ イヌホウズキ |
アシタバ | ツワブキ | ウマノアシガタ |
アマドコロ | ドクダミ | ウマノスズクサ |
イタドリ | ナズナ | オシロイバナ |
オオバコ | ニホンハッカ | ケキツネノボタン |
オランダガラシ カキドオシ | ノカンゾウ ノゲシ | コンフリー ジロボウエンゴサク |
カラスノエンドウ | ノビル | スイセン |
キクイモ ギシギシ | ハコベ ハハコグサ | スズラン センニンソウ |
クコ | ヒメジョオン | タケニグサ |
クズ コウゾリナ | ヒルガオ ハルジオン | チョウセンアサガオ トウダイグサ |
シュンラン | フキ | ヒガンバナ |
シロザ シロツメクサ・アカツメクサ | ホタルブクロ ヤブガラシ | フクジュソウ ムラサキケマン |
スイバ | ヤマノイモ | ヨウシュヤマゴボウ |
スギナ・ツクシ | ユキノシタ | |
スミレ | ヨメナ | |
スベリヒユ | ヨモギ | |
セイヨウワサビ セリ | ワラビ | |
ゼンマイ
|
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左・シロザ、右・アカザ、茎は藜(アカザ)杖に利用される
アキノノゲシ:変種のリュウゼツサイは舎人公園に生育
スベリヒユ:ハナスベリヒユは園芸種で花が大きい
オランダガラシ(クレソン):舎人公園の水路に群生
ワサビダイコン(セイヨウワサビ):根が辛い。粉・練ワサビの原料
舎人公園野草見本園の野草(夏~秋に咲く珍しい野草) [舎人公園の野草]
新しい冊子“足立区の野草”(A4版30頁、野草302種解説付き写真紹介)が
できました。御入用希望の方は御一報下さい。実費で御送付致します。この他、
既に発行済の“舎人公園観察ガイド、”舎人公園での探鳥“、”草花栽培カレン
ダー“も併せてご利用下さい。
舎人公園野草見本園で夏~秋に咲く比較的珍しい野草を紹介させていただき
ます。ニホンハッカを除き、今が見ごろです。1)ニホンハッカ(薄荷):シソ科多年草。セイヨウハッカであるペパーミントと区
別され、ともに、かじると薄荷(メントール)の味がします(写真1)。子供のころか
じった記憶があります。
2)コミカンソウ(小蜜柑草):トウダイグサ科一年草。果実が小さなみかんに似る。
一枚の葉の葉腋の上部に雄花が、下部に雌花が一列につく。葉一列に着果する植
物は珍しい。マメ科のクサネムやネムノキのように葉は夜閉じるから不思議です。
ただ今結実中(写真2)。3)オミナエシ(女郎花):オミナエシ科多年草。秋の七草で有名。舎人公園に群落
があります。ただいま満開(写真3)。
女郎花 すこしはなれて 男郎花 星野立子(高浜虚子の次女)
4)オトコエシ(男郎花):オミナエシ科多年草。オミナエシよりつくりが大きく丈夫
そうに見えるから命名される。オミナエシの白花といったところです。ただ今開花
中(写真4)。
5)ワレモコウ(吾亦紅):バラ科多年草。十五夜のお月見には、ススキとともによく
似合う野草です。漢方薬に利用されます。開花結実中(写真5)。吾亦紅 さし出て花の つもりかな 小林一茶
6)ウマノスズクサ(馬の鈴草):ウマノスズクサ科つる性多年草。ラッパ状の花は
雌性先熟雄性後熟(雌シベが先に熟し、その後雄シベが熟す:本ブログ・”冬咲く花、
ヤツデの開花の不思議”に記載)の受粉方法により、悪臭を放ち、巧みにコバエをお
びき出し交配してもらう。種子は出来にくい。開花中。ジャコウアゲハの食草として
有名。漢方薬にも(写真6)。7)ヤハズソウ(矢筈草):マメ科一年草。葉を引っ張ると常に葉が矢筈(V字形)にち
ぎれて面白い。このようにちぎれる訳は、多くの斜め向きの側脈が平行して直線的
に葉の縁まで達しているためです。因みに葉に光を当てると矢筈状の模様が浮かん
で見えます。根瘤菌を着生するので、痩せ地でもよく育つ。開花中(写真7)。その他、コシナガワハギ、コブナグサ、ジュズダマ、ヨウシュヤマゴボウ、スベリヒユ、
オオボウシバナ、マルバツユクサ、カワラナデシコ、キランソウ、メハジキ、ケアリタソ
ウ、アカザ、ホソアオゲイトウ、ミソハギなどが見られます。
今時珍しいニホンハッカ:かじると薄荷(メントール)の味が強い。
コミカンソウ:微細なみかんの実?が一列に並んで着果(本種特有)。
オミナエシ:お馴染み秋の七草、舎人公園で群生開花が見られます。
オトコエシ:オミナエシのシロバナ、舎人公園野草見本園で今見ごろ。
ワレモコウ:舎人公園野草見本園で、今が見ごろ。秋に似合う花です。
ウマノスズクサ:ジャコウアゲハの食草。左上の写真は花の拡大写真。
ヤハズソウ:左上の写真のように葉を引っ張ると矢筈(V)状に切れる。