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冬の珍しい植物(新宿御苑) [植物観察]

新年を迎え、皆様にとって良い年でありますようお祈り

申し上げます。

本ブログも2007年9月から2年4カ月経過しますが、お陰様で総

覧数の累計は52000に達しました。今後ともよろしくお願いい

たします。 

冬の珍しい植物(新宿御苑)

月一回恒例の植物観察会(読売・日本テレビ文化センター講座)が、新宿御

苑で開催されました。普段見慣れない植物数種を紹介させていただきまし

た。

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観察会の風景

ナンバンギセル(南蛮煙管):ハマウツボ科ナンバンギセル属一年草の寄

生植物で、西洋(南蛮)の煙管に似ている。別名オモイグサ(思草)は万葉集

で詠まれた思い草に因む。

ススキに寄生することが多いが、チガヤ、サトウキビ、ミョウガなどの根に

も寄生します。茎は極短く地下にあり、葉は鱗片状で小さい。茎のように見

える15~25㎝の花柄の先に淡紅紫色の筒形の花を開く(写真)。果実の飛散

しやすい多数の超微細な種子は、寄主の根に付着して発芽する点では、以前

このブログで取り上げたヤセウツボ()と似ています。

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写真左は冬のナンバンギセル。右は夏のナンバンギセル(開花)。

イノコズチ(猪子槌)の虫こぶ。

イノコズチ(日陰)、ヒナタイノコズチ:ヒユ科イノコズチ属多年草。

猪子槌のいわれは、四角い茎の膨れた節をイノシシの子の膝頭(槌)に見立

てた。が、普通の節はそれ程大きくはない。たまにひと際大きい節を見かけ

ます。これガ、虫こぶです。イノコズチクキマルズイフシといわれ、イノコズ

チウロコタマバエの仕業です。写真はヒナタイノコズチですが、節には穴が

あいており、既に成虫となって飛び去ったことでしょう。節の中にはハエの

幼虫が住んでいるのです。虫こぶの詳しい説明はこのブログ(

をご参照下さい。

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写真左上:イノコズチの虫こぶ。大きい写真はヒナタイノコズチ。果実はひっつき虫。 

セントウソウ(仙洞草):セリ科の多年草で、一属(セントウソウ属)一種の在

来種。日本各地の林地などの木陰にはえる。別名オウレンダマシ(葉がオウ

レンの葉に似ている)。白い花は春。

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半日陰に生えるセントウソウ。

オオハナワラビ:シダ植物。ハナワラビ科オオハナワラビ属の多年草。

地上部は枯れ、9月頃直立の茎が伸び、地表で二分し、栄養葉と胞子葉

別れて生育します。胞子葉は10~11月頃成熟した胞子を飛ばします。類

のフユノハナワラビは個体数が少なく、やや日向を好むようです。

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半日陰に生えるオオハナワラビ。

サイカチ:マメ科サイカチ属の樹木。舎人公園にもあるハリエンジュ(ニセ

アカシア)やエンジュに似ているが、幹や枝に分岐した鋭い大きな棘が多

い。豆果は長さ30㎝にもなり捩れる。豆果は薬用になり、昔は石鹸の役目

を果たした(サポニンを含む)。

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サイカチの大木。写真が逆光ですみません。水元公園にも大木があります。

ヒマラヤスギ:マツ科ヒマラヤスギ属の常緑高木。別名ヒマラヤシーダ。 
雌花は10~11月開花(花粉散る頃)。雄花は3㎝程の黄色っぽい穂状で
沢山着き目立ちます。雌花は卵形の緑色で数が少ない上に小さく5mm
位で、なかなか見ることが出来ません。受粉した雌花は徐々に大きな球
果に発達し、翌年の秋成熟すると5~15㎝の長卵形になります。この頃に
なると果実が崩れて先端部が地上に落ちます。これがシーダーローズ
コーンといわれるものです。ヒマラヤスギ(シーダー)・バラの形(ローズ)
・コーン(円錐形:松かさ)の意味です。木の実の工作などで貴重なもので
す。つくばの某研究所では、秋から冬沢山拾うことができます。舎人公園
にも多くのヒマラヤスギがありますが、20年以上経っているのにいまだ開
花しません。

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ヒマラヤスギ。よく似た仲間にレバノンシーダが新宿御苑にあります。

 

 

 

 


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