サルスベリの巧妙な花 [植物観察]
サルスベリ:ミソハギ科サルスベリ属。中国原産。名は幹がツルツルで、猿も登
れないところから。別名の百日紅(サルスベリ)は約100日間、紅花を咲かせる
から。花の色は淡紅色、紅色、白色、紫色などで枝先に群がって咲く。春の芽吹
きが極端に遅く、秋には一番早く落葉する変わり者。我が家のサルスベリも花が咲きだして10年になりますが、今年、何気なく見て
いると花の形が普通の花と違うことに気がつきました。花びら(一見萼状)は、
6つのV字形に裂けた萼(ガク)の裂け目から、糸状の花軸に、縮緬状で木くらげ
みたいな可憐な6個の花弁が特徴的です。受粉の仕組みが実に巧妙に出来ています。花の中心に花粉(葯)で黄色くな
った多数の短い雄シベ(38本)があり、その回りに何と不思議、長い6本の釣
り針形の雄シベ(紫色の葯)があるのです。つまり、2種類の雄シベを持つの
です。
38本の雄シベの中から、長くて太い釣り針形の雌シベが伸びています。この
長い雄シベと雌シベは共に先端が下向きになっていて、短い雄シベの葯
(花粉)と長い雄シベの葯・雌シベの柱頭が向かい合っているのです。
フリルで美しい花びらと短い雄シベの黄色い花粉で昆虫を引き寄せ蜜を
吸わせ、その間下向きの6本の雄シベの花粉が昆虫の背中付着し、これが
下向きのめしべに触れて受粉するのです。何と巧妙な構造でしょう。
炎天の 地上花あり 百日紅 高浜虚子
散れば咲き 散れば咲きして 百日紅 加賀千代女(かがのちよじょ)
サルスベリの花(集合花)
サルスベリの一つの花
上:しわしわの花びら(六枚)、下左:長い釣り針形をした雄シベ(6個)、
下右:花びらと長い雄シベを除去した状態(萼と短い雄シベと雌シベ。
短い雄シベ(38本)と雌シベ(中央の釣り針形)
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by aosima0714 (2009-08-19 15:04)