川口グリーンセンターの珍しい植物 [植物観察]
10月に恒例の講座“花と緑をもっと知ろう”が市立川口グリーンセンターで
開催されました。ここで、目についた植物の数種について紹介させていただ
きました。
サネカズラ(実葛):別名ビナンカズラ(美男葛)。あまり耳慣れない
マツブサ科(以前はモクセイ科)の常緑つる植物で、仲間にシキミが
あります。学名のKadsura japonicaは、葛からとっています。樹皮に水
を加えつぶすと粘液になり、これを髪の整髪に使ったので美男葛
(写真2)。
サビンマツ:Pinus sabiniana、マツ科マツ属の常緑高木で、北アメリカ
原産。葉はダイオウショウのように3本で長く垂れ下がります。日本には、
川口グリーンセンターと京都大学の二箇所に存在する貴重な植物に出
会いました。葉が銀白色なので、遠くから目立ちます(写真3)。
ブッシュカン(仏手柑):ミカン科のシトロン(レモンの仲間)の変種。インド
原産で主に観賞用ですが、漢方、食用にも利用されています。写真では、
果実が手の指らしくありませんが、ものによっては、指形に何本も分岐し
ています。まるで、仏さんの手?です(写真4)。
奇想天外:別名砂漠オモト。ウェルウイッチア科ウェルウイッチア属に属する
一科一属一種の珍しい裸子植物で雌雄異株。世界で最も醜い植物の上位
に挙げられるそうです。アフリカ赤道直下の砂漠に生える生涯二枚の葉を
極めてゆっくり伸ばし続け、寿命は1000年を超えるとか。まさに奇想
天外(写真5)。
ドラゴンフルーツ:サボテン科。属は異なりますが月下美人に似た花を着け、
開花時期はともに夜8時から10時頃です。沖縄産のドラゴンフルーツがスー
パーで販売されています。大きいものは大人の拳大で400円程度と高価
です。ヘルシーな果実で美容フルーツとして人気があるそうです。日本の
月下美人は皆同一クローンでかつ自家不和合性のため、人工授粉をしても
結実しません。
最近、異なるクローンの月下美人が導入され、人工授粉で結実するようにな
り、食用月下美人として販売されています。お宅の月下美人に食用月下美人
で人工交配すれば、果実が生ると思います。因みに、原産地では受粉媒介は
コウモリだそうです(写真6)。
キバナモクレン(黄花木蓮):モクレン科、ハクモクレンとマグノリア・アクミ
ナータ(黄花)交配種で、普段見かけることのできない珍しいモクレンです
(写真省略)。
コーヒーの木:アカネ科コーヒーの木属。温室のコーヒーの木に赤い実が
沢山着いていました。我が家で3年前、コーヒーを購入した時に小さな苗
をいただき、3年間育てた今年初めて白い花が咲き、5つほど実が生りま
した(現在まだ緑色)。冬は温室がないので、陽当りの良い屋内に取り込
みます(写真省略)。
その他、生きた化石メタセコイアです。化石が発見され、絶滅されたと
されていたが、1945年中国で生木が発見されました。その後挿し木と
種子で育て各地に植えられました。ここのメタセコイアは巨木で、幹回
り4.5mほどあります。いくら成長が早いといえ、50~60年でここまで大
きくなったは驚きでした(写真省略)。
写真1、温室での観察会風景
写真2、サネカズラ(美男葛):実が美しい,汁を塗って美男にあやかりたいです。
写真3、サビンマツ:葉が白っぽく目立ちます。日本に2箇所しかない貴重樹。
写真4、ブッシュカン(仏手柑):果実を仏の手に見立てた.食材や漢方にも利用。
写真5、奇想天外:南西アフリカ原産。一生二枚の葉で成長。これはまだ
若い奇想天外と思われます。
写真6、ドラゴンフルーツ:手前の緑色の果実が熟すと赤くなる。いつか
我が家の月下美人に果実をつけて食べようと思っています。
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