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ニホンハッカの不思議なランナー繁殖 [植物観察]

新しい冊子“足立区の野草”(A4版30頁、野草302種解説付き写真紹介)ができました。御入用希望の方は御一報下さい。実費で御送付致します。この他、既に発行済の“舎人公園観察ガイド、”舎人公園での探鳥“、”草花栽培カレンダー“も併せてご利用下さい。

ニホンハッカの不思議なランナー繁殖

ニホンハッカについて

ニホンハッカ:シソ科ハッカ属で宿根性の多年草ハッカ(メントールを葉の油腺に含む)に、二ホンハッカ(日本薄荷・Japanese peppermint)とセイヨウハッカ(西洋薄荷・peppermint)があり、ハーブとしての利用は、二ホンハッカの場合メントール含量が高く香りも少ないので不向きだが、セイヨウハッカは香りが良く向いています。栽培は古く1817年岡山が最初で、その後広島や北海道などで行われ、とくに、北見地方で盛んに生産されたそうです。メントールを含むので、昔からメグサ、メハリグサ、メザメグサなどの名称で呼ばれていますが、それは生の葉で目をこすると、目の中が涼しくなって目の病気が治りやすくなるということに起因しているそうです(平凡社世界大百科事典)。

ニホンハッカの不思議なランナー繁殖

ニホンハッカの繁殖法は、種子と地下茎で繁殖するように書かれています。本によってはランナー(走茎)を出して繁殖することが記載されています。ニホンハッカを増やす目的で、2008年10月、土を詰めたポットに挿し木したところ活着しました。11月半ば挿し穂の最上部(下から2節目)の節から腋芽が左右2個伸びてきました(2挿し穂とも)。外気温が低下してきたのでこの時点このポットを日当たりの良い室内に取り込みました。

では、ここでいう、不思議なランナーとはどんなものなのでしょう。写真に示しましたが、挿し穂(すでに発根している)の下から2番目『最上節』から腋芽が出現し、これが節と小葉を持った茎として発達し土の方向に伸張し、ついに土の表面に到達すると、そこで根を出し、その根は地中に進入し、普通の根としての機能を発揮するのです。これがここでいう不思議なランナーです。この奇妙な不思議なランナーの小さな葉を付けた節から新たに腋芽が生じ、茎となり、最初の不思議なランナーと異なる通常の地上茎の形態を取り(写真)、生育を続けるのであります。近いうちに立派に開花・結実することでしょう。

なぜ、不思議なランナーというのか?普通のランナーは根の近くの節から出てくるのですが、このように、高い節から出るランナーは珍しく、その原因は恐らく挿し木という特殊な条件のためにとった生活防衛策なのでしょう。

-b1747.jpg             挿し穂の最上節から左右に出てきた不思議なランナー。y:挿し穂、x:不

思議なランナー。

-366d5.jpg

不思議なランナーが土に向かって伸び、根を出した(R)。2862262             上の写真を拡大。

-f5e9f.jpg             不思議なランナー(x)の節(a,b)から出た普通の茎葉(a-c,b-c)。-98254.jpg              

ニホンハッカ(写真綿引さん):不思議なランナーから出た

茎葉が伸び8~9月になると立派な花を咲かせることでしょう。 

 


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