田島が原サクラソウ群落自生地の野草 [植物観察]
田島が原サクラソウ群落自生地の野草
国の特別天然記念物指定の埼玉県の田島が原サクラソウ群落自生地4haにサクラソウ100万本、ノウルシ無数が生育しています。さらに、これらの隙間にトダスゲ、ノカラマツ、ヒキノカサが生育し、これら5種は準絶滅危惧種等に指定されています。過去何回か足を運んだのですが、ノウルシがますます蔓延ってきた感じがしました。全面積の80%くらいを占めているようです。夏になるとアシ、オギが一面を覆い、サクラソウを保護しているのでしょう。ニホンサクラソウは江戸時代荒川原野に自生したものを種子などで繰り返し栽培するうち、赤、桃、紫、白などの色変わりや様々な形の花形が生まれたそうです。
ニホンサクラソウ(桜草・サクラソウ、学名:Primula sieboldii)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草:自生地では林間の湿性地や原野の草間に生え、ときに群生します。田島が原サクラソウ群落自生地では、花の色の濃淡は真紅~薄いピンクまであり、花弁の形は隙間の無いものから隙間の大きいもの、先端が大きい、尖っているものなど観察されています。花びらの中心の白い円がはっきりしたものから殆どないものがあり、花びらの枚数は5枚が基本ですが、4枚、6枚~10枚まで観察されているそうです。花びらの遺伝的な形質は5枚でしょうが、何らかの変化で奇形?ができるのでしょう。4つ葉、5つ葉のクローバに似ています。
以下に主だった野草を写真で紹介させていただきます。
サクラソウ:花びらの隙間があります。
サクラソウ:花びらの隙間がありません。
サクラソウ:花びらが6枚だそうです。
サクラソウ:花びらの中心の白い円がはっきりしません。
サクラソウ:シロバナサクラソウでこの地に発生したそうです(田島白)。
ノウルシ: トウダイグサ科トウダイグサ属で湿地を好む多年草。有毒植物。準絶滅危惧種。
アマドコロ: ナギイカダ科アマドコロ属の多年草。所々で群生していました。ガイドさんによると、ナルコユリの生育は無いそうです。両者は似ていますが主に茎の手触りで区別されます。角張る
: アマドコロ、丸く感じる : ナルコユリ。
ツボスミレ: スミレ科スミレ属の多年草。小型のスミレでニョイスミレ(如意菫)ともいう。
トダスゲ: カヤツリグサ科スゲ属。埼玉県戸田が原に生育していたことに因む。環境省絶滅危惧1A類。
ノカラマツ : キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草で草地に生える。絶滅危惧Ⅱ類。
ハナウド: セリ科ハナウド属の多年草。やや湿ったところを好む。
ヒキノカサ: キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。湿地を好む。絶滅危惧Ⅱ類。
ミツバツチグリ : バラ科キジムシロ属の多年草。日当たりの良い草原などに生える。
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