舎人公園野草園のヘビウリ [舎人公園での植物観察]
ヘビウリが毎年舎人公園野草園で結実しています。今年も見事に実が着きました。舎人公園のヘビウリの本ブログでの記事は2012年7月27日と2013年9月2日の2回あります。
ヘビウリはカラスウリやキカラスウリと同じ仲間のウリ科カラスウリ属の蔓性草本で、インド原産です。明治末期に渡来しました。花は雌雄同種で雄花は房状、雌花は単生し、花びらはレース状でカラスウリやキカラスウリそっくりで魅力的です。栽培方法は発芽が難しいですが、2013年本ブログ投稿の「ヘビウリの栽培」をご参照下さい。なお、病害虫の被害は少ない方ですが、最も注意が必要なのは尺取虫に似た行動をとるウリキンウワバの幼虫(蛾)による被害です。年数回発生し若い葉を食害します。手で潰すとか農薬で駆除しないと雌花が落ちてしまいます。
ヘビウリの実:長さは1m位です。
ヘビウリの実:未熟で長さ40cm位です。あまり蛇らしい形をしていません。
ヘビウリの雄花。
ヘビウリの雌花:花の中ほどに毛があるところが実ります。
雄花の正面でとても美しい花です。
雌花の正面で雄花と同じに見えますが、基部に小さな実のもとが着生し、雌蕊で区別できます。雌蕊は残念ながら本写真ではわかりません。
向島百花園での観察会に参加して [植物観察]
先月向島百花園主催の観察会があり参加しました。講師は専門の方でした。携帯用のイヤホンで遠方でもよく聞こえました。盛会で一時間位園内を回りました。コンニャクは今年は開花していません。ヘビウリが実るでしょう。現在開花中の植物を中心に紹介させて頂きました。
ヤブマオウ:イラクサ科多年草。カラムシの仲間で共に茎から繊維が取れる。カラムシの新しい葉の裏は真っ白で、押し花に使われる。
ヤブカンゾウ:ユリ科多年草。これは八重咲でノカンゾウは一重咲き。
モリアザミ:キク科多年草。花は9-10月。アザミの仲間で根は食べられる。間もなく開花です。
ムクゲ:アオイ科落葉低木。八重咲の品種でよく目立ちます。雄蕊が花弁化し種は出来ないとか?
ヒメヒオウギズイセン:アヤメ科多年草。園芸ではクロコスミアと呼ばれる。ヒオウギズイセン属の雑種。
ヒゴタイ:キク科多年草。花は8-9月。葉はアザミに似て棘を有する。
ヒオウギ:アヤメ科多年草。花は長く扇状に広がる。8月開花。
ノリウツギ:アジサイ科落葉低木。アジサイの仲間ですが開花は遅く夏に咲く。
ニホンハッカ:シソ科多年草。メントールの材料で北海道北見にはハッカ記念館がある。舎人公園野草園にもあります。
ナツズイセン:ヒガンバナ科多年草。花は桃色で葉はスイセンに似ていて花が夏に咲く。キツネのカミソリに似ているが花の色が異なる(キツネノカミソリは橙色)。
トロロアオイ:アオイ科多年草。花がオクラに似ているので花オクラとも呼ばれる。この根の粘りは色々なつなぎとして利用される。
トモエソウ:オトギリソウ科多年草。前回向島百花園の植物紹介で掲載したので説明は省略させて頂きます。
トウゴウギク:キク科オオハンゴンソウ属多年草。北米原産。東郷元帥がイギリスから持ち帰ったことに由来する。ルドベキア・フルギタで流通。
タマアジサイ:アジサイ科多年草。蕾が丸いのでこの名が付けられた。花は7-8月で咲けば普通のアジサイの形。
コブナグサ:イネ科一年草。黄八丈の染料。葉はチジミザサのようなちぢれは無く茎を抱く。舎人公園野草園では今年は生えませんでした。
コバギボウシ:キジカクシ科多年草。ギボウシやオオバギボウシに似ている。7-8月開花。園芸品種多数。
ギンミズヒキ:タデ科多年草。ミズヒキの一品種とされているが、自生種説もある。ふの入るものが多い。舎人公園野草園にも生育しています。
オイランソウ:ハナシノブ科一年草または多年草。花魁の白い粉の香りが似ているとか。花は白もあり派手。別名フロックス、クサキョウチクトウ。
舎人公園野草園のレンゲショウマ [舎人公園野草園]
舎人公園野草園でレンゲショウマが咲き始めました。野草園の3か所で見られます。暫く咲き続けるでしょう。この数年毎年咲きます。夏の日差しに弱いので寒冷紗で遮光したり、クスノキの木陰、メンデルのブドウ棚の下でそれぞれ半日蔭条件で栽培しています。レンゲショウマは御岳山が有名ですが、近場で観察できるのもいいのでは。
レンゲショウマの花:レンゲを小さくしたような魅力的な花です。
レンゲショウマの花は下向きに咲きます。御岳山では山に生えているので下から見られ好都合です。
メンデルのブドウ棚の下に咲いているレンゲショウマの花。
同ブドウ棚の下で咲いているレンゲショウマ:やはり下向きですね。
以前御岳山で観察した時の写真です。見える角度がちょうどいいです。写真右上は果実で尖った特有の形をしています。
総アクセス90万突破特集 [ブログ]
本ブログ「tumu-tumu ツムラの掲示板」の投稿期間は2007年9月から現在まで9年近くになります。この間の投稿数は275で、これらの総アクセスは90万を突破しました。so-netブログでは上位にランクされています。今回は人気ランキング12(best twelve、総アクセス3000以上)を紹介させて頂きました。総アクセスは当然投稿が古いほど多くなる傾向はありますが、人気アクセスはそれを大幅に上回ります。
1位 皇帝ダリアの挿し木苗づくり・・・・・・・・・・・・・・・・22076
2位 とんぶりの簡単な作り方・・・・・・・・・・・・・・・・・・20004
3位 ドングリゴマの簡易な作り方・・・・・・・・・・・・・・・・19778
4位 色々な草笛を作ろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11103
5位 新しい植物分類 : APG分類体系とは・・・・・・・・・・・・10430
6位 冬咲く花、ヤツデの開花の不思議・・・・・・・・・・・・・・6304
7位 タネツケバナとミチタネツケバナの見分け方・・・・・・・・・4771
8位 超ミクロの世界を覗く:ナノグラム(ng) と ピコグラム(pg)・・4011
9位 アキエの押し花作品集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3652
10位 放射能汚染の基礎情報:米と土壌のCs・Sr汚染・・・・・・・3223
11位 舎人公園に生育している食べられる野草と毒草・・・・・・・3203
12位 舎人公園野草園の冬の姿・・・・・・・・・・・・・・・・・3177
野鳥の木彩画(その3) [バードウォッチング]
Picture of the wild bird drawn on the wooden panel
過去二回 木の板やブロックに描いた野鳥の絵を報告させて頂きました。今回はその3で、タイトルを野鳥の木彩画に統一することにしました。今回は多数の木のブロックの絵を紹介させて頂きました。作者は前回と同じ吉元真智子さんです。実物は舎人公園サービスセンターでも見られます。
エナガ3枚
エナガ2枚:エナガ5枚表情が全部異なります。極端に長い尾が、柄が長い柄杓に例えた。個体数が減少しているようです。一部の都府県でレッドリストに指定されています。
ウグイス2枚
ウグイス2枚:ウグイス4枚色々な表情が描かれています。
ルリビタキ♂3枚:美しい鳥ですね。舎人公園で観察されました。
モズ♂2枚:舎人公園でよく見られます。
キビタキ♂ :舎人公園で観察されました。
ノゴマ♂:舎人公園では観察されていません。
マミジロ♂:白い眉斑が名前の由来。珍しい鳥です。
クロジ♂:♂の身体が黒っぽいのが名の由来。日本でも多くの県でレッドリストに指定。舎人公園には来ないようです。
ヤマガラ:舎人公園でよく見られます。
ジョウビタキ♀:自宅でも飛来することがあります。
キクイタダキ:個体数が減り県によってはレッドリストに指定されています。
ミソサザイ:この鳥も個体数が減り県によってはレッドリストに指定されているようです。
ヤマセミ:魚を捕獲。カワセミと同じ仲間で山地の渓流に生育しているそうです。
メジロ:メジロと梅。お馴染みの鳥です。日本で見られる野鳥で先ほどのミソサザイ、キクイタダキに次いで最も小さい鳥のようです。メジロと違いウグイスは花の蜜を吸うことはめったにないとか。
シジュウカラ:巣材を集めているようです。馴染みの深い鳥です。
カワセミ:舎人公園でもよく見られます。実に美しい鳥ですね。
向島百花園の6月の野草 [植物観察]
向島百花園では色々な野草が豊富です。バショウにバナナのような実がなっていました。観客の方の多くはバナナと言っていました。今回印象に残った野草、舎人公園野草園では見られない野草を中心に紹介させて頂きました。
水辺の風景
ハマギク:キク科多年草。野菊の一種で海岸に自生。日本固有種で9-10月マーガレットやノースポール似た花を咲かせる。
シモツケソウ:バラ科多年草。下野の国(栃木県)に多く生えていた。5-7月開花で白花もある。似た花に栃木県で発見された落葉低木のシモツケがあります。
アワモリショウマ(泡盛升麻):ユキノシタ科多年草。日本固有種で5-7月茎の先に穂状の白い花が咲く。小花が泡のように咲くから。
ナガボノワレモコウ:バラ科多年草。花は8-9月で白(ナガボノシロワレモコウ)又は紅紫色で、花序はやや長く直立か垂れる。カライトソウは花序は長く、垂れる。ワレモコウは花序が短く直立する。
ムラサキセンダイハギ(先代萩):マメ科多年草。5-8月青紫の花を咲かせる。写真右上は花で、ちょうど咲いていました。
バイカイカリソウ(梅花錨草):メギ科多年草。4-5月開花し、白い花が梅に似ている。
ヤグルマソウ:ユキノシタ科多年草。花は6-7月円錐状の花序を着け、花弁は無く萼片の色ははじめ緑白色で、しだいに白色に変化する。葉の形が鯉のぼりの矢車に似ている。キク科のヤグルマギクと混同しやすい。
カザグルマ(風車):キンポウゲ科多年草。5-6月白~薄紫色の花を咲かせ、花の形が風車に似ている。写真左上は果実で、けまり状。テッセンは近縁種で同じセンニンソウ属。
クガイソウ:オオバコ科多年草(旧ゴマノハグサ科)。茎に輪生する葉が多層になっているので九蓋草、九階草)。
シライトソウ(白糸草):ユリ科多年草。学名は雪の筆を意味する。4-7月開花し、瓶などを洗う「ブラシ」に似ている。
国立科学博物館付属自然教育園の目に着いた野草 [植物観察]
この5月下旬自然教育園に野草見物に行ってきました。ここでは春夏秋冬色々珍しい野草が見られます。今回目に留まった野草の一部を紹介させて頂きました。
イヌショウマ:キンポウゲ科多年草。日本固有種、8~9月白い穂状花序を着ける。
イカリソウ:メギ科多年草。春咲く赤紫の花が錨に似ている。
アオイスミレ:スミレ科多年草。日本固有種で葉の形は葵(フタバアオイ)に似ている。3~4月白紫の花を着ける。
マツカゼソウ:ミカン科多年草。8~10月白い多数の花が咲く。
シロヨメナ:キク科多年草。シオン属でノコンギクの亜種。カントウヨメナなどはヨメナ属。8~11月白い花を咲かせる。
カンアオイ:ウマノスズクサ科多年草。ギフチョウの食草で冬でも枯れないので寒葵。日本固有種で秋開花。
ムサシアブミ:サトイモ科多年草。春、仏炎苞に包まれた肉穂花序を着ける。マムシグサやウラシマソウに似ている。
オオバギボウシ:クサスギカズラ科(旧ユリ科)の多年草。若葉はウルイと呼ばれ山菜として賞味される。毒草のコバイケソウと間違えやすい。ギボウシやコバギボウシの仲間。6~8月、白または紫色のロート型の花が咲く。
ハグロソウ:キツネノマゴ科多年草。日本固有種で半日蔭で生育する。9~10月淡紫色の花を咲かせる。姿はキツネノマゴに似ている。葉が黒ずんだ色なのでハグロソウとか。
モミジガサ:キク科多年草。葉が開く前は傘のように折りたたまれていて、葉が開くと葉はモミジに似ている。花は8~9月茎の先に円錐花序状の白紫色の頭花を着ける。未展開の葉は山菜になる。
ヤブレガサ:キク科多年草。根出葉が一枚では花茎が出ない。若い葉の様子が破れ傘に似ている。7~8月白く開花するが、今回は既に開花していた(写真左側)。
カワセミの子育て [バードウォッチング]
カワセミの子育ての様子を紹介させて頂きました。
カワセミは青い宝石ともいわれとても美しい鳥です。カワセミの青色は、羽毛の微細構造による光の加減で青く見える構造色を呈しています。雄の嘴は黒いが雌の場合は下の嘴が赤い違いがあります。腹部は雌雄オレンジ色ですが、幼鳥~若鳥は茶黒色をしています。巣立ちから2週間位親から餌をもらって育ち、平均寿命は二年だそうです。
写真提供:吉元さん(都内で5月撮影)
若鳥二羽:後ろ向きと前向き
同若鳥二羽:共に後ろ向き
同若鳥二羽:共に前向き
若鳥が親から頂いたザリガニを食べている様子
若鳥の一羽がザリガニを食べています
親が捕獲してきたザリガニを若鳥二羽がおねだりしているところ
傍にいた若鳥が餌を頂く順番のようです
傍にいた若鳥が餌をいただきました
植物のクレイアート(その4) [趣味]
2016年1月25日に植物のクレイアート(その3)を紹介させて頂きました。その続きとして、端午の節句に相応しい作品を舎人公園サービスに展示して頂いております。是非実物を見に来てください。ここでは、写真で紹介させて頂きました。写真は拡大できます。作者は前回同様藤木洋子さんです。
粘土の芸術クレイアート
今回紹介分全体の風景
色々な春に相応しい植物です:タンポポの蕾、シロツメクサ、フキノトウ、ツクシ、テントウムシ、ハハコグサ、イヌタデ、レンゲ、ツユクサ
シロツメクサ、フキノトウ、タンポポ、ツユクサ、イヌタデ、ハハコグサ、ツクシ、テントウムシ等
手前の作品はクロッカス、レンゲ、タンポポ、ツクシです
クロッカス
ハハコグサ、ツクシ等
ツユクサ、シロツメクサ、フキノトウ、テントウムシ等
ハハコグサ
ツクシ、タンポポ、レンゲ
タンポポ
フキノトウ
甲冑と桃太郎
甲冑
桃太郎
舎人公園野草園の野草 [舎人公園での植物観察]
舎人公園野草園には常時400種程度の野草が生育し、多くの野草に名札が付けられており、野草の勉強・観察には最適と思われます。2013年発行の「足立区の野草・ポケットガイド」に紹介されている341種より多くの野草が観察可能です。ヤブレガサ、ヤマブキソウ、セツブンソウ、ウラシマソウなどの山野草で半日蔭を好む種でも生育可能なスペースがあり、野草の種類は豊富です。今回は、現在咲いている野草を中心に一部ではありますが紹介させて頂きます。
この野草園には、珍しい種、比較的目にすることの少ない種が沢山見られます。例えば、シモバシラ、オオアマナ、ツルボ、ミヤコグサ、ヤエドクダミ、ラショウモンカズラ、キバナアキギリ、ヒヨドリジョウゴ、ホンタデ、コゴメイヌノフグリ、イヌノフグリ、ハナイバナ、カラクサケマン、ナギナタコウジュ、シロネ、ハンゲショウ、ツユクサ(紫花)、スズメノテッポウ、ショウブ、アキカラマツ、キンミズヒキ、ヌスビトハギ、コンロンソウ、カスマグサ、タコノアシ、ニッコウキスゲ、レンゲショウマ、ショウブ、ヤクシマススキ、ウマノスズクサ、ワラビ、その他多くの種が生育しています。
野草以外では、メンデルのブドウ、アーティチョーク、皇帝ダリア、ヘビウリなども見られます。
本野草園の紹介として、ホームページ(HP)”舎人公園野草園” があります。舎人公園野草園で、検索して見て下さい。実に多くの野草が検索可能で、個々の野草には説明と詳しい野草写真が見られます。野草図鑑となっています。本HPの作成は野草ボランティアが担当しています。
ウラシマソウ
オキナグサ
オドリコソウ
ヒメオドリコソウ
コバンソウ
シラユキゲシ
スイバ(スカンポ)
セツブンソウ
タカトウダイ
トウダイグサ
ニリンソウ
ノボロギク
ヤマブキソウ
木の板・ブロックと紙に描かれた野鳥(その2) [趣味]
前回(2015/12/23)に引き続き、新しく作成された野鳥の絵を紹介させて頂きました。表題を変更しております。前回は木の板とブロックの素材でしたが、今回は紙に描かれています。水彩絵具で描かれています。お楽しみ下さい。画像は拡大して見れます。作者は前回と同じ吉元眞智子さんです。
アカヒゲ:左♀、右♂
エナガ
オジロワシ:魚を捕獲しています
カワセミ♀
カワセミ♂
ハシブトガラス
ハシブトガラス
ホオジロ♂
ルリビタキ♂
植物のクレイアートその3:正月飾り [趣味]
正月の玄関に飾るのに最高の植物のクレイアートを、舎人公園サービスセンター
ボランティアコーナーに新たに特別展示して頂きました。暮れから継続して展示
して頂いております。しばらく展示していますので是非ご覧下さい。クリックして
拡大して見て下さい。作者は前回同様藤木洋子さんです。
全体の様子:手前3つの小物は前回紹介したものです。鉢物で、色々な植物から形成されています。
以下個々に拡大してご紹介します。あまりにも見事な出来栄えで、本物と区別がつきづらく、
立派過ぎてコメントできません。
ハボタン
スイセン:白
スイセン:黄
センリョウ
ナンテン
ウメ
キク(管物):ピンク
キク:黄色
木の板・ブロックと紙に描かれた野鳥 [趣味]
木の板・ブロックと紙に描かれた野鳥
色々なサイズの木の板と小さな木のブロックに水彩絵具と一部アクリル絵具で
描かれた野鳥の絵を紹介させて頂きました。作者はm.yoshimotoさんです。
これらの一部ですが、舎人公園サービスセンター内ボランティアコーナーに
展示を予定しています。小さい写真は拡大(クリック)して見て下さい。
ハシブトガラス:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
オナガ:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
オオコノハズク:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
オオコノハズク:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
ヤマセミ:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
カワセミ:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
ウグイス:水彩画、15×15(円形)。
ウグイスの子育て:水彩画、13×20×2cm(厚さ)。
ヒヨドリ:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
ノビタキ♂:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
スズメ:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
コヨシキリ:水彩画、17×17×3cm(厚さ)。
ツバメ幼鳥:水彩画、ブロック、5×5×2cm(厚さ)。
エナガ:水彩画、ブロック、5×5×2cm(厚さ)。
コマドリとヤマセミ:アクリル絵具、ブロック、5×5×2cm(厚さ)。
ツバメ幼鳥とノゴマ:水彩画、ブロック、5×5×2cm(厚さ)。
ブロック集合:左からエナガ、ツバメ幼鳥、ノゴマ以上水彩画。
続いてカワセミ、コルリ、ヤマセミ、コマドリ、サシバ、ヤマガラ以上は
アクリル絵具。
東京国立博物館の前のユリノキ [植物観察]
東京国立博物館の前のユリノキ
ユリノキ:モクレン科ユリノキ属、別名半纏木・チューリップツリー。北米原産の蜜源樹。
明治8-9年日本に渡来したユリノキの30粒の種子から苗に育てられ、明治14年頃新宿御苑や上野国立博物館前等に植えられたと言われています。小石川植物園のユリノキも同年代と推定されています。色々調べてみますと、新宿御苑に最初に植えられたようです。しかし、国立博物館もほぼ同年代言われています。新宿御苑のユリノキは樹高34m、樹幹週4.5m、樹齢134年とされています。東京国立博物館のユリノキは樹高24m、樹幹週5.9m、樹齢120年というデータがありますが正確かどうかは分かりません。こんど行ったとき幹回りを確認して見たいです。東京国立博物館は「ユリノキの博物館」「ユリノキ館」と呼ばれて親しまれています。
ユリノキ全景
ユリノキ下部と花(左上):花は舎人公園で撮影したもの。
舎人公園の皇帝ダリア [舎人公園での植物観察]
舎人公園に皇帝ダリアが導入されて今年で6年になります。平成10年本ブログで皇帝ダリアの苗木造りを投稿したところ多くのアクセスや問い合わせ、引用がありました。茎を節毎に切断して作った苗木で増やし、今年は35本が開花しました。数回の強風で痛めつけられましたが何とか開花に漕ぎ着けました。丈は4メートル位です。今月11月20日に足立よみうり新聞に紹介される予定です。以下開花の様子をご紹介いたします。
開花した皇帝ダリア
開花の様子、赤色が強くでてしまいました。
皇帝ダリアの遠景風景
植物のクレイアートその2:秋の風景 [趣味]
野草のクレイアートを本ブログ2015年9月8日投稿しました。舎人公園サービスセンター内ボランティアコーナーでの展示および本ブログ共に好評でした。11月になってから秋らしいものに取り替えて頂きました。粘土で創った芸術品クレイアートの説明は前回の投稿時に記しましたのでご参照下さい。
今回は秋らしい風情を帯びた樹木のクレイアート作品です。作者は前回と同じ藤木洋子さんです。
クレイアート秋の風景:後ろがモミジ(トウカエデ)、手前左がザクロ、中がガマズミ、右がメイゲツソウ
ザクロのクレイアート
ガマズミのクレイアート
メイゲツソウのクレイアート
木場公園の外来植物 [植物観察]
9月に都立木場公園外来植物園に見学にいきました。普段見慣れない外来種が沢山生育していました。一部ですが目に留まったものを紹介させて頂きました。
イボクサ:ツユクサ科イボクサ属の一年草。湿地に生える。
イワヨモギ:キク科ヨモギ属の多年草。大型の草本で茎は1m以上になり木質化する。
エノキアオイ:アオイ科マルバストルム属の多年草。葉がエノキに似ている。
オキナアサガオ:ヒルガオ科フサヒルガオ属の一年草。花序が翁を連想させる。
カンザシイヌホオズキ:ナス科サス属の1~多年草。光沢のある果実をカンザシに見立てた。果実は上向きに着く。
ゴマギク:キク科ブクリョウサイ属の一年草。草丈は1~2mで、花粉症の原因になる。
ショウジョウソウ:トウダイグサ科ユーフォルビア属の一年草。ポインセチアの仲間。
セイヨウフウチョウソウ:フウチョウソウ科フウチョウソウ属の一年草。別名クレオメ。
タカサゴユリ:ユリ科ユリ属の多年草。野生化し道端などに生育している。
タマザキクサフジ:マメ科コロニラ属の多年草。牧草や道路法面に使用される。
ツノゴマ:ツノゴマ科ツノゴマ属の一年草。角の着いた果実ができる。若い果実はピクルスとして食用になる。
マルバフジバカマ:キク科アゲラティナ属の多年草。シロバナフジバカマの名で流通している。
ヤノネボンテンカ:アオイ科ヤノネボンテンカ属の多年草。茶花などとして栽培される。別名タカサゴフヨウ。
野草のクレイアート [趣味]
クレイアート
舎人公園野草園に素材を求めて来られたクレイアーティストの藤木洋子様に、最新の力作「野草のクレイアート」を展示して頂きました。作品はヒメガマ、ヒルガオ、サギソウ、ネジバナ、シラタマホシクサで構成されています。クレイアートとは、クレイ(Clay,粘土)で作成した芸術的な作品のことです。色の着いた各種粘土・材料・道具・着色絵具などを駆使した手作りの作品です。最初に見た時は生きた野草の生け花と思いました。本物そっくりで驚きました。舎人公園サービスセンター内ボランティアコーナー展示場に展示されています。写真をクリックして拡大して見て下さい。
野草のクレイアート:全体
ヒメガマのクレイアート
ヒルガオのクレイアート
サギソウのクレイアート
鉢植えのブドウがたくさん穫れました [作物栽培]
昨年、父の日に戴いた実着き(12房着果)のデラウェアブドウ1鉢(1株)を今年の冬、ひと回り大きな9号の菊鉢に、畑土を詰め、発酵油粕と緩効性有機肥料を混合して植え替えました。栽培をしている内たくさんの房ができ、開花し全部が着果しました。7月上旬から完熟しはじめ収穫を8月7日まで継続して行いました。全部で40房が完熟しました。ジベレリン処理をしていないので、一粒に1~2個の種がありました。甘味は強かったです。今年は気温が高く日照量も多く1日1~2回の潅水が大変でした。病害虫はつきませんでした。来年はさらに大きな鉢に植え替え80房目標にしています。以下写真で紹介させていただきました。
6月23日の生育状況:既に全体で40房着果しています。ブドウ中ほどの様子。
同じく6月23日の様子:ブドウの株本の着果状況。
7月になったら熟れてきました。
7月20日の様子。
同じく7月20日の様子。
ミトマト一株(一鉢)で1000個収穫 [作物栽培]
ミトマト一株(一鉢)で1000個収穫
直径30cm、高さ33cmの丸いポットに野菜栽培用土半分と
残り半分に腐葉土と発酵油粕を詰め(全体混合)4月17日
つくば市の農業環境研究所一般公開でいただいたミニト
マトの接ぎ木苗1本を4月20日に移植しました。栽培管理は
かなり粗放で、過度の脇芽をとる程度でした。普通の栽培法
に比べてなるべく沢山脇芽を残し、花房の数を増やしました。
脇芽は大きな側枝となり沢山の果房を着生しました。潅水は
毎日1~2回やりました。6月になると高さ160cm、幅150cmになり
果実の重みで垂れてきたので写真のように支柱に支えました。
7月19日現在(移植後90日)おおくのトマトが収穫できました。
この時点の熟したもの、未熟含めて総果房数が70で平均1房
あたりの着果数は13とすると総果数は910です(現にすでに
900個の収穫を得ております)。生長は緩やかになってきまし
たが、これからまだ増加します。最終的には1000個はいくで
しょう。1房の着果数は5~28個で株元に近いほどその個数は
多くなります。完熟果実の直径は2.5~3cm位でした。露地栽培
のミニトマトと比べたら1房当たりの着果数はかなり劣ります。
ポット栽培増収のテクニック
ミニトマトは本葉が7枚位になると茎に最初の花房が着きます。
その後は、葉3枚ごとに花房が着いて規則的に伸びていきます。
成長が進んでいくと、主軸の茎と葉の間から脇芽が出てきます。
その芽は残すと上記と同じような成長を続けます。脇芽をなる
べく多く残すと果房の数が大幅に増加しますが、放置しておくと
過繁茂状態になり果房も小さくなります。脇芽の残し具合が収穫
量の決定のカギになります。多く残す為には樹勢が持続される必
要があり、そのためには土壌の肥沃性(追肥)と根の活力が大切
です。これを見分ける簡単なコツは生長が8月頃までは止まるこ
とがない、下葉が黄色く変色しない、の2点です。接ぎ木したミニ
トマトは病虫害の心配は(多くの栽培例を観察して)あまりいりま
せん。現在栽培中のミニトマトはアブラムシを含めいっさい病害虫
の発生は見られていません。
6月23日の生育状況。
同時期の生育状況:結果枝が垂れてきたので
紐で支えてやりました。すでに収穫は始まって
います。
6月29日の生育状況:生育旺盛で新しく伸びた枝に
次々と開花しています。
1房の着果状態:すでに数個収穫されています。
7月8日:新しく 伸びた脇芽も次々と沢山着果しています。
全体の生育状況
収穫されたトマト:生育旺盛な時は2日でこの程度獲れました。
舎人公園野草園のレンゲショウマ [舎人公園での植物観察]
舎人公園野草園でレンゲショウマが見られます。
平地では栽培が難しくあまり見かけないレンゲショクマが舎人公園
野草園で開花してきました。今月いっぱいは次々開花します。3か所
に生育していて、2か所は日蔭~半日蔭で、あと1か所は日向なので、
遮光してあります。
レンゲショウマはキンポウゲ科の多年草で、山地や深山の湿気のある
林下に自生しています。関東では、御岳山のレンゲショウマの群生地
は有名です。
このような限られた環境で生育するレンゲショウマの舎人公園野草園での
生育に成功して4年目になり、毎年春になると新芽が出てきて7月には開花
します。株数も増え全体で20株ほどあります。写真でご紹介いたします。
レンゲショウマの記事は本ブログで2014年9月2日に投稿してあります。
ご参照下さい。
御岳山の群生地:果実の姿が面白い。
昨年のレンゲショウマの遮光風景:白い寒冷紗で遮光したのですが
真夏葉が日焼けしました。
今年は黒の遮光ネットで遮光。日焼けは起きていません。
数十個の蕾があります。
日蔭で咲き出したレンゲショウマ。
ヤブミョウガなどが混植されています。
巨大なレンゲショウマの花:レンゲショウマの花茎は3~4cmの
ものが多いですが、写真の花は5.5cmありました。
上の花と同じ花を、花びらが落ちる直前にサイズを測ってみました。
約5cmでした。満開時より花弁が5mmほど縮まり短くなっていました。
向島百花園の植物 [植物観察]
向島百花園の6月の主な植物を紹介させていただきました。普段あまり目にすることの少ない植物が豊富です。ほんの一部ですが紹介させていただきました。
写真をクリックして拡大して見て下さい。
キョウガノコ : バラ科シモツケソウ属。初夏の頃、ピンク色のつぶつぶの
小さい花を密生させて咲く。花も葉もシモツケソウとそっくり。名前は京染
の鹿子絞りに似ているから。
キリンソウ : キリンソウ(麒麟草)は、ベンケイソウ科マンネングサ属の
多年草。6~8月茎頂に多数の5ミリくらいの鮮黄色の小花をつけ美しい。
クガイソウ : オオバコ科クガイソウ属の多年草。かつてはゴマノハグサ科。
花期は7-8月。茎の先端に穂状になる長い総状花序をつけ、
淡紫色の多くの花をつける。茎に輪生する葉が層になってつくので、
九蓋草、九階草の名がある。
コマツナギ : マメ科コマツナギ属の落葉小低木。名の由来は茎や
根が丈夫で引き抜くのが困難で、駒(馬)を茎につなげておくこともできる。
シロミノコムラサキ : クマツヅラ科(APG分類体系ではシソ科)
ムラサキシキブ属の落葉小低木。本種はコムラサキの変種の
白実種で、シロシキブはムラサキシキブの変種の白実種。
コムラサキのように花柄の付け根と葉柄の付け根が少し離れている。
ムラサキシキブ : クマツヅラ科ムラサキシキブ属落葉小低木。
APG分類体系ではシソ科ムラサキシキブ属。花柄の付け根と葉柄
の付け根がくっ付いている(写真)。
トモエソウ : トモエソウ(巴草)、オトギリソウ科オトギリソウ属の
多年草。名前の由来は卍 のような形をした花。
ナルコユリ : キジカクシ科アマドコロ属の多年草。かってはユリ科。
アマドコロと似ているが、茎はまるくて稜がない。
ニッコウキスゲ : ゼンテイカ(禅庭花)はススキノキ科ワスレグサ属
の多年草。かってはユリ科。一般にはニッコウキスゲの名前で呼ばれ
ることが多い。日光霜降高原などの群落が有名で、花が黄色で葉が
カサスゲ(笠萓)に似ているため、地名を付けてニッコウキスゲと呼
ばれる。
バショウ:バショウ科バショウ属の多年草。バナナとよく似ている。
バナナより耐寒性があり、関東地方以南では露地植えも可能である。
バショウの繊維を利用した工芸品が作られている。
バナナ状のものは雌花、その右は雄花。
ヒョウタンボク : スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木。6-7月の赤い
実が2個ずつ対になっているので、ヒョウタンのように見える。
マツムシソウ : マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草。北海道から
九州に分布する日本固有種で、山地の草原に生育する。マツムシが鳴くころ
に咲くことが和名の由来とか。
ムサシアブミ : サトイモ科テンナンショウ属。マムシグサや
ウラシマソウの仲間。雌雄異株。土壌の栄養状態が良いと雌花
となり、実をつけるが栄養状態が悪いと雄花となる。写真
中央下に未熟果実が見えます(写真を拡大して確認して
ください)。
ムラサキセンダイハギ : マメ科ムラサキセンダイハギ属。普通の萩
は秋に咲くが、本種は初夏5月頃に咲き、色も萩と違い紫色。ソラマメ
に似た実ができる。
メイゲツソウ : デ科イタドリ属多年草。虎杖(イタドリ)の花は白いが、
本種の場合は紅色を帯びる。 雌雄異株。和名の由来はお月見のころに
花をつける。
岡本廣子さんのボタニカルアート(その六) [趣味]
これまで、5回投稿しました。最初は2012年1月、2回目:12年10月、3回目:13年2月、4回目:13年8月、5回目:14年10月で、その間の総アクセスは今日現在2729です。今回は6回目の投稿となります。ちなみに、本ブログの総アクセスは約7年間で現在約74万です。100万が目標です。
写真を拡大して見てください。
サンシュユです。グミに似た実です。
シデコブシです。「足立区の樹木・ポケットガイド」の表紙になりました。
ネコヤナギです。
ヤマモモです。食べられます。
ユリノキです。蜜の多い花です。別名、半纏木、チューリップツリー。
ニホンサクラソウの簡易栽培法 [花の栽培]
二ホンサクラソウの簡易な栽培法
ニホンサクラソウ(桜草・サクラソウ、学名 : Primula
sieboldii)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草で準絶滅危惧種に指定されています。自生地では湿性の林間、原野の草間に生え、ときに群生します。以下ニホンサクラソウのことをサクラソウと記します。
国の特別天然記念物指定、埼玉県田島が原サクラソウ群落自生地で生育しているサクラソウは 1)色々な植物と共存している、
2)年間通じて適当な土壌湿度が保たれている 、3)夏にはアシ、オギが一面に繁茂してサクラソウを覆う、4)通風が良いなどの条件を備えています。これらに近い条件を再現すれば継続栽培可能ではないかと考えました。それに近い栽培環境とは、通年土壌を乾かさない(適湿)、夏は直射日光をさける、風通しの良い場所を選ぶ、サクラソウと野草の混植で土壌を露出させないなどでしょう。ここでは、サクラソウを鉢で継続的に栽培する方法を紹介させて頂きます。
第一年目 : 盆栽用の深めの鉢、泥鉢(例えば直径30cm、深さ6cmの丸い鉢)に赤玉土5、鹿沼土3、腐葉土2などの割合で混合した培養土を詰め、購入した開花期前のサクラソウの鉢を植え付けます(できれば異品種の苗数鉢)。この時、サクラソウを傷めないようにチゴユリ、コバノタツナミ、ユキノシタ、ミズヒキ、スミレ類、チドメグサ、タイトゴメなどサクラソウと共存できそう(サクラソウの開花期草丈低い)な小物で自分の好きな野草数種類選び植え付けます。サクラソウの花が見られない時でも山野草の盆栽として楽しめます。これらの混植は地際に伸びたサクラソウの根茎が露出して乾燥するのを防ぎます。もしサクラソウの根茎が地上に露出したら覆土して下さい(増し土)。潅水は十分に行います。夏になったら暑さに弱いので、木陰や半日蔭で通風の良い場所に移しましょう。涼しくなったら日の当たる場所に戻します。冬の休眠期を含めて年中水切れに注意してください。寒さには強いです。翌2~3月芽が出る前に小粒の発酵油粕を軽く一握り程度施しましょう。
第二年目以降 : 新しい根茎が伸びて新芽が出てくれば個体数が増えます。普通、株を充実させるため花柄摘みを行いますが、種子を残すとこぼれ種子となり、うまくいけば翌年発芽します。また、種子で増やす方法があります(下記)。東京では4月中旬頃開花します。開花後の管理は上述の第一年目に準じて行ってください。5~6年経過して、鉢一面にサクラソウが増殖したら、根鉢を軽くほぐして、一回り大きな泥鉢に移しましょう。この時、株分けをして(下記)植えかえることも可能です。培養土は第一年目と同じで良いと思います。これらの植え替え作業は12~1月が適当と考えられます。株分けや種子で増やせますが、これらの方法は多少手間がかかりますが、挑戦して見て下さい。増やし方を参考までにご紹介します。
増やし方 :
以下の方法があります。
株分け(芽分け) : 植え替え時(2月中旬)に1株に芽1個~数個付けた状態にします。1株に芽が2個以上あれば、芽が出ている根茎を切断して1個の芽にし、いずれも根が着いた状態で株分け可能で、この場合多数の株が得られます。芽の無い株の太い根や地下茎をそのまま、或は切断して同じ鉢か別の鉢に植え付けて(根伏せ)芽のでるのを待ちます。株分け(芽分け)したものは第一年目に従って1鉢数株植え付けます。
種子で増やす : 6月ころ熟した種子を採取し、湿った紙、布に包みチャック付保存袋等に入れ、冷蔵庫で乾燥させないようにして保存し、翌年3月頃播きます。発芽には低温は必要です。乾燥した種子は発芽しにくいです。この場合は翌年の開花となります。採り播の場合は、採取した種子を直ぐにまくのですが、種子が好日性の微小種子なので、覆土ができません。バーミキュライト、鹿沼土(細粒)などポーラスな用土の表面を種子と混ぜる程度にして播けばいいと思います。発芽は翌年になります。この場合、乾かさないで管理するのは苦労がいります。それを避けるため、種子を保湿状態で1~2か月冷蔵庫に保存して播く方法があります。こぼれ種子が春先発芽することもあります。よく用いられる方法として採取した種子を市販のジベレリンで処理をしてから播くやり方です。サクラソウは寒さに遭遇しないと発芽しません。そこで、種無しブドウに使用されるホルモン剤ジベレリンの約300ppm溶液に浸したキッチンペーパーなどで一日処理し休眠を解きます。処理後播くと気温にもよりますが、1週間位でよく発芽します。
サクラソウの植え付け
複数株植え、カバープラントとしてチゴユリ、コバノタツナミ、タイトゴメ、スミレ、ミズヒキなど
を混植しました。
二年目の開花状態です。個体数が増えてきました。
三年目の開花状況、スミレ、コバノタツネミが見えます。
三年目の様子、色々なカバープラントで鉢も地面が見えません。カバープラントが蔓延り、サクラソウの繁殖に支障が生じれば適当に抜き取ります。まだ植え替えは必要なでしょう。
三年目の種子の着生状況。
同上の拡大写真、間もなく種子は熟します。採種する場合は完熟したら種子が飛散して
しまうので注意が必要です。一つの果実に無数の種子が閉じ込まれています。大きさ
は300ミクロン位です。
田島が原サクラソウ群落自生地の野草 [植物観察]
田島が原サクラソウ群落自生地の野草
国の特別天然記念物指定の埼玉県の田島が原サクラソウ群落自生地4haにサクラソウ100万本、ノウルシ無数が生育しています。さらに、これらの隙間にトダスゲ、ノカラマツ、ヒキノカサが生育し、これら5種は準絶滅危惧種等に指定されています。過去何回か足を運んだのですが、ノウルシがますます蔓延ってきた感じがしました。全面積の80%くらいを占めているようです。夏になるとアシ、オギが一面を覆い、サクラソウを保護しているのでしょう。ニホンサクラソウは江戸時代荒川原野に自生したものを種子などで繰り返し栽培するうち、赤、桃、紫、白などの色変わりや様々な形の花形が生まれたそうです。
ニホンサクラソウ(桜草・サクラソウ、学名:Primula sieboldii)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草:自生地では林間の湿性地や原野の草間に生え、ときに群生します。田島が原サクラソウ群落自生地では、花の色の濃淡は真紅~薄いピンクまであり、花弁の形は隙間の無いものから隙間の大きいもの、先端が大きい、尖っているものなど観察されています。花びらの中心の白い円がはっきりしたものから殆どないものがあり、花びらの枚数は5枚が基本ですが、4枚、6枚~10枚まで観察されているそうです。花びらの遺伝的な形質は5枚でしょうが、何らかの変化で奇形?ができるのでしょう。4つ葉、5つ葉のクローバに似ています。
以下に主だった野草を写真で紹介させていただきます。
サクラソウ:花びらの隙間があります。
サクラソウ:花びらの隙間がありません。
サクラソウ:花びらが6枚だそうです。
サクラソウ:花びらの中心の白い円がはっきりしません。
サクラソウ:シロバナサクラソウでこの地に発生したそうです(田島白)。
ノウルシ: トウダイグサ科トウダイグサ属で湿地を好む多年草。有毒植物。準絶滅危惧種。
アマドコロ: ナギイカダ科アマドコロ属の多年草。所々で群生していました。ガイドさんによると、ナルコユリの生育は無いそうです。両者は似ていますが主に茎の手触りで区別されます。角張る
: アマドコロ、丸く感じる : ナルコユリ。
ツボスミレ: スミレ科スミレ属の多年草。小型のスミレでニョイスミレ(如意菫)ともいう。
トダスゲ: カヤツリグサ科スゲ属。埼玉県戸田が原に生育していたことに因む。環境省絶滅危惧1A類。
ノカラマツ : キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草で草地に生える。絶滅危惧Ⅱ類。
ハナウド: セリ科ハナウド属の多年草。やや湿ったところを好む。
ヒキノカサ: キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。湿地を好む。絶滅危惧Ⅱ類。
ミツバツチグリ : バラ科キジムシロ属の多年草。日当たりの良い草原などに生える。
ウラシマソウの性転換の謎 [科学]
ウラシマソウの性転換の謎
ウラシマソウ : 学名 Arisaema urashima。サトイモ科テンナンショウ属。宿根性の多年草。雌雄異株。
地下に球茎を形成し、子球をつけて増える。葉は一枚のことが多く、大きな株では14枚程度の小葉を鳥足状(傘状)に着ける。実生のような小株では4枚ほどの小葉を着ける。茎先に花軸が多肉化して花がその表面に密生した肉穂花序(付属体と花から構成)を出す。この肉穂花序は仏炎苞(サトイモ科の大形の苞)に覆われている。肉穂花序の先端の付属体が細長い紐状に長く伸び途中から垂れ下がる(これを浦島太郎の釣糸に見立てた)。肉穂花序の多数の花には花弁は無く雄蕊と雌蕊で形成されている。
受粉はキノコなどに加害する極小のハエ(1mm~2mm位)などによる虫媒(花)で、雄株の仏炎苞の開口部から進入した虫は雄花群の花粉を身に付着し、仏炎苞の底にある隙間から脱出し別の雌花群に入り受粉させるが、この雌性の仏炎苞には雄性の仏炎苞のような脱出する隙間は無く、ここで死んでしまう。受粉した個体は、秋にはトウモロコシ状に赤く実る(有毒)。
ウラシマソウの性転換
ウェブサイトで有名なウイキペディアによると「テンナンショウ属の植物は性転換をすることが知られており、本種でも同様である。比較的小型の個体では雄性となり、仏炎苞内部の肉穂花序に雄花群を形成し、大型の個体では雌性となり、肉穂花序には雌花群を形成する性質がある。つまり、種子由来の若い個体や子球由来の小型の個体は雄性となり、より大型の個体は雌性に転換していくこととなる」と記されている。また、「日照量が不足する条件下では開花困難か雄性個体ばかりとなりやすく、逆に適度な日照量条件下では無性期、雄性期、雌性期のすべてが見られることとなる」と記述されている。これらの記述から、類推すれば雌性期の個体でも翌年の環境状況により雄性期になりうる。
この問題に関いて、舎人公園の野草園で生育しているウラシマソウ7個体の観察では、大きい個体グループ4本の大きさはほぼ同じで、環境条件は同じであるにも関わらず雄性、雌性の両個体が隣合せに確認された。4個体のうち3個体は雄性であった。残りの比較的小さい株もいずれも雄性であった。ほぼ同一大の2個体で、一方が雌性、他方が雄性と確認された事実から、性転換は個体の大小以外に発生してからの経過日数、微細な環境条件などが複雑に関与していることが推定される。
以下写真で説明いたします。クリックして拡大して見て下さい。
ウラシマソウの発芽の様子:付属体から「釣糸」が出てきました。
ウラシマソウの開花状態:7個体があります。
上の2個体はほぼ同じ大きさ:左が雌性、右が雄性。拡大して見て下さい。
左は雌性の雌花、右は雄性の雄花。拡大して見て下さい(雌蕊と雄蕊がよく見えます)。
同じ位の個体が4本ありました。
雄性の花序の構成。拡大して見て下さい。
雌性の花序の構成。拡大して見て下さい。苞は仏炎苞です。
マムシグサの例:左の茎(偽茎)の模様がマムシの斑点に似ている。右の実はトウモロコシ状に実っています(有毒)。
コンニャクの花:雌雄同株で、雄花の下に雌花(この写真では一部しか見えません)が位置します。
ソメイヨシノの原木 [科学]
ソメイヨシノ(染井吉野) : 学名: Cerasus
× yedoensis (Matsum.) A.V.Vassil. ‘Somei-yoshino’は日本原産種のエドヒガン系の桜とオオシマザクラの交配で生まれたと推定されている日本産の園芸品種であります。ソメイヨシノは接ぎ木で普及したためほぼ全てクローンです。森林総合研究所などによるDNAを用いた研究では、ソメイヨシノは単一のクローンである事を肯定しています。ソメイヨシノは自然交雑種なのか、人工交配種なのかの論争はありますが、現在では人工的な交配による品種改良で作られたとする説が最も有力視されています。染井村の造園師や植木職人により江戸時代末期から明治初期にかけて育成され、普及は現在も続いています。
それでは、接ぎ木により普及したとなるとその原木があるはずです。最近発表された新しい説によるとその原木が上野公園にあるとされています。この説はまだ仮説の段階ですが有望と考えられます。そこで、早速上野公園に出向いてその「原木」を見てきました。開花初期でしたが写真に写してきました。拡大して見て下さい。
上野公園小松宮親王像北側(写真右奥)の開花初期の「原木」
開花初期のソメイヨシノの「原木」
ソメイヨシノの「原木」の幹:樹齢約100年とも150年以上とも。正確な樹齢が下されていません。
セイロンベンケイが開花しました [植物観察]
舎人公園でセイロンベンケイに花が咲きました。屋外で育てたセイロンベンケイを11月舎人公園サービスセンター内に取り込み栽培を続けました。1月頃小さな袋(萼・蕾)ができ、2月下旬に開花しました。写真に開花までの様子を示しました。
セイロンベンケイ (セイロンベンケイソウ:Kalanchoe pinnata Pers.) はベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属の植物で、別名を花の形からトウロウソウ(灯籠草)といいます。英語で"Good-luck leaf"と書き、幸運の葉と呼ばれています。原産は南アフリカで、日本では沖縄や小笠原諸島に自生しています。
多肉質の多年生草本で、暑さには強いのですが寒さに弱い性質を持ちます。日当たりの良い場所を好みますが、半日蔭でも育ちます。開花期は一概に言えませんが1-4月です。
土中に埋めるとか水を入れた容器に浸すと葉の縁から不定芽を出す(無性生殖)性質を持つので、はからめ(葉から芽)ともいわれています。
花は下の写真のように緑色の風船のような形をした萼(がく)ができ、その中に小さな蕾がすでにできています。大きく長くなった萼の下を突き破るようにして花が出現し、花びらを反り返すように開きます。増やし方は不定芽で簡単に増やせます。種子も出来るようですが、まだ確認していません。
風船のような萼が出来始めました(1月)。
開花直前の全体の姿です。
風船(萼)は大きく長く伸びてきました。開花直前です。
風船(萼)の先端から花びらが出てきました。
花びらの先は反り返ります。
地面の落ちた葉の縁から不定芽がでて幼植物となりました。移植可能です。
同じく不定芽が生育している様子です。
足立区の樹木・ポケットガイド新刊 [植物観察]
足立区の樹木・ポケットガイドが新たに発行されました。これまでの足立区の野草・ポケットガイド、足立区の野鳥・ポケットガイドと自然観察3点セットの最終版です。長年時間を費やしようやく完成しました。
内容は、新しい植物の分類方法の解説、冬の葉腋の姿、都道府県の木、足立区の保存樹のことなど盛り沢山です。以下簡単に紹介させて頂きます。ここでの写真は写りが悪いのですが、現物は見事です。写真をクリックして拡大して見て下さい。
このような表紙です
目次です
新しい植物分類
新しい植物分類: APG分類体系とは
最近、植物の分類体系に新しい手法が導入されています。植物観察を行っている者
にとって、今まで使っていた科名が無くなる、変更される等により不便が生じる可
能性があるでしょう。
1990年以降、被子植物の分類体系にDNA解析(葉緑体DNA解析)による系統学手法が
導入されました。この手法の進展により欧米では、植物図鑑などが新しい体系に変
わってきています。わが国でも、将来この手法が植物分類学の主流になると考えら
れています(APG植物分類体系:APG法)。
従来の分類法は、リンネの自然の体系(18世紀)から、生物を科、属と区分する分類体系
が生まれました。これにダーウイン(19世紀)の進化論が取り入れられ、花や葉を基にした
類縁関係からマクロ形態的な分類体系が定着し、これまで教科書や図鑑でこの分類方法が
採用されてきています。この方法は、単純な構造を持つ花から複雑な構造の花が進化した
として、植物を系統的に分類したもので誰でも直感的に分かり易い方法なのです。ところが
APG法はDNA情報を基にした植物の新しい分類法です。この方法では外見によらないで遺伝子
情報(DNA情報) の差から類縁関係をつかもうとするものです。学術的には優れた手法ですが、
植物を観察する植物愛好家にとっては、定着するまで時間がかかると思われます。しかし、
既に一部の図鑑ではAPG法が採用されており、将来多くの図鑑や教科書が新しい方法に書き
換えになると考えられますので、本書でもこの分類に従っております。
APG法導入により科が変わった樹木の例、( )内は旧分類。
裸子植物 コウヤマキ:コウヤマキ科(スギ科)、スギ・コウヨウザン・メタセコイア・
ラクウショウ:ヒノキ科(スギ科)。
被子植物 イイギリ:ヤナギ科(イイギリ科)、ムクノキ・エノキ:アサ科(ニレ科)、
アオギリ:アオイ科(アオギリ科)、イロハモミジ・オオモミジ・メグスリノキ・ヤマモミジ
・トウカエデ:ムクロジ科(カエデ科)、トチノキ・ベニバナトチノキ・セイヨウトチノキ
:ムクロジ科(トチノキ科)、ウツギ・ヒメウツギ・ガクアジサイ・アジサイ:アジサイ
科(ユキノシタ科)、サカキ・ヒサカキ・ハマヒサカキ・モッコク: サカキ科(ツバキ科)、
マンリョウ・ヤブコウジ:サクラソウ科(ヤブコウジ科)、アオキ:ガリア科(ミズキ科)、
コムラサキ・ムラサキシキブ:シソ科(クマツヅラ科)、キリ:キリ科(ノウゼンカズラ科)。
新しいAPG法による分類法の模式図の説明
植物の進化の歴史を示した分類体系を簡略化して次頁に図示しました。古い順に列挙すれば
シダ植物、裸子植物、被子植物となり被子植物は被子植物基底群(3目(もく))、単子葉
類(11目)、真正双子葉類(37目)に大分類されます。図の縦の短冊内のカタカナ書
きは目(もく)を表し、
目の下の階級に科が配置されます。被子植物の科数は416に分類されています。
世界最古の被子植物は1目1科1種のアンボレラ(ニューカレドニアに生育)です。
新しい植物分類体系と旧分類法の図解
樹木の写真図鑑の一例:すみません写真がぼけています。
舎人公園のお菊虫 [舎人公園の昆虫]
ジャコウアゲハの蛹は「お菊虫」と呼ばれますが、その理由は怪談『播州皿屋敷、江戸では番町皿屋敷』のお菊に起因します。皆様ご存知のように、お菊が大切な皿を一枚割ってしまったため、手を後ろに縄で縛られてつるされ殺されました。その後何故か、寛政7年(1795年)のこと、播磨国姫路城下に手を後ろに縛られた女性に似た虫の蛹が大発生したそうです。これを見た城下の人々は姫路城で殺されたお菊の幽霊が、虫の姿を借りてこの世に帰ってきているのだと噂したと言われています。このお菊虫は現在ではジャコウアゲハの蛹と推定されています。ジャコウアゲハの蛹を下の写真からも見られるように人が縛られている姿に見えます。実に不思議な姿をした蛹です。因みに姫路市ではジャコウアゲハを市の蝶に指定しているそうです。
ご参考までに、蝶の蛹の形は、1)頭を下に垂れ下がる方法、2)紐を背にかけて枝に自分の体をくくりつける方法があります。1)を垂蛹(すいよう)、2)は帯蛹(たいよう)と言います。蝶の蛹は垂蛹になるか、帯蛹になるかのどちらかですが、成虫の脚の数で決まります。蝶の種類により4本に見えるものと6本に見えるものがあります。本来脚は前脚、中脚、後脚と6本ありますが、4本脚に見えるのは、その内の前脚が良く見えないのと、歩行に使ってないからです。4本脚グループが垂蛹になり、6本脚グループが帯蛹になります。アゲハチョウの仲間は6本脚です。
ジャコウアゲハの卵、幼虫、成虫(♀)
お菊虫:白い糸で固定されている(縛られている!)。黒い髪毛様に固定される場合もあります。お菊さんに似ているとか?
カラタネオガタマの木で蛹化
バラの木の蛹:蛹の色が上の写真と違います。保護色でしょうか?
食草ウマノスズクサで蛹化:黒い糸(髪毛?)で縛られています。首に巻かれています
正面から見た姿:黒い糸(髪毛?)で縛られています
野草園の掲示板で蛹化した蛹:ここでは茶色の沢山の糸(髪毛様)で固定(縛られ)されています。パウチされた透明でつるつるした素材なので固定するのに沢山の糸が必要だったのでしょう
上の写真を横から見たところ
人工飼育され、蛹化した蛹:色々な顔?をしています